脳卒中の治療で重要な役割を果たすのがリハビリテーション(リハビリ)です。脳卒中の後遺症を少しでも軽減し、からだの機能を維持していくためには、発症早期にリハビリを開始し、退院後も継続していく必要があります。
<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄/文:星野美穂>
発症早期のリハビリと退院後の継続を
●急性期のリハビリテーション
急性期では病状が安定すれば、入院翌日からでもリハビリを始めます。これは、筋力が落ちたり、関節が固まってしまう「廃用症候群」を予防するためです。急性期では、まず寝たまま関節を動かす、寝返りを打つ、ベッドに座るなどの動きを行います。
発症から24~48時間以内にリハビリを行うことで、からだの機能がより回復し、入院期間も短縮することなどが期待できます。
●回復期のリハビリテーション
脳卒中の病状が安定してから、立つ、歩くなどの日常の生活動作の回復を目指して集中して行うリハビリです。通常、リハビリテーション病院や回復期リハビリテーション病棟で行います。
●維持期のリハビリテーション
自宅や介護施設など生活の場で行うリハビリです。筋力や体力、歩行能力の維持・向上を目的として行います。自宅から医療機関に通って行う外来リハビリ、通所リハビリ施設に通う通所リハビリ、医療機関からリハビリのスタッフが訪問する訪問リハビリなどがあります。
参考:日本脳卒中学会

参照
理学療法士協会
作業療法士協会
言語聴覚士協会
身体機能維持に大切な退院後のリハビリ
脳卒中後の身体の機能改善のためにはリハビリテーションが重要ですが、特に維持期のリハビリテーションは大切です。
急性期・回復期のリハビリで回復した身体機能も、退院後放っておくと低下してしまいます。身体機能を維持し、生活のQOLを保つためには、かかりつけ医と相談しながら、適切なリハビリを行っていくことが大切です。
●「高齢者のかかりやすい病気・疾患」の一覧を見る
●「在宅医 ドクター上條に聞く」のコーナーをすべて見る