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認知症のある人が病気になったら、その治療は?~高齢者の認知症9

2017年12月1日

認知症のある高齢者では、認知症以外の身体や精神の病気を抱えていることも多くあります。認知症の中核症状やBPSDは、その他の病気の治療をも難しくしてしまいます。
体調が悪くてもうまく説明できなかったり、医療機関で治療の選択が自分でできなかったり、治療の拒否をすることもあるかもしれません。
今回は、認知症のある方が病気になったとき、ご家族がご本人をサポートするためのポイントをご紹介します。

 

<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄 / 文:椎崎亮子>

 

認知症があると病気にかかりやすい?

認知症を持つ高齢者は、体力・免疫力の低下や生活習慣病を持っていることにより、さまざまな病気にかかることがあります。
「認知症があること」が直接の原因でかかるという病気はありませんが、認知症が影響してかかりやすくなる病気はあります。また認知機能の低下によって、病気の治療がうまくいかないなどの問題が出てきます。

 

認知症があることで発症しやすい病気

1認知症の中核症状である認知機能が障害されることで、さまざまな影響が出てきます。
特に本人がセルフケアをできなくなっていると、次のようなことが起きやすくなります。

 

・十分な水分や栄養が摂取できていないと、脱水や電解質異常、栄養不良を起こす
・口腔ケアや入浴など清潔の保持ができず、歯周病、誤嚥性肺炎、尿路感染症などの感染症にかかる
・排尿や排便の感覚が鈍っている、トイレに適切に行けなくなっていることで、排尿排便障害や、重度の便秘になる
・意欲低下から身体を動かさなくなる。それにより心身の機能が低下し廃用症候群(生活不活発病)になり、うつ状態になったり筋肉の拘縮(こうしゅく)がおきたりする
・服薬管理ができなくなり、以前よりかかっていた糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病が悪化する。それが原因で脳血管障害、心疾患などにかかる

 

また、判断力や記憶力の低下によって、次のような危険があります。

 

・消費期限が切れている食品や、傷んだ食品、食品ではないものなどを食べて中毒を起こす
・転倒をしてもそのことを忘れてしまい、骨折や頭蓋内出血などの発見が遅れる
・薬の飲みすぎ、飲み忘れなど誤った服用により、薬が原因の有害な作用が起きる

 

これらを防ぐには、ご家族などの介護者が、日ごろからご本人の生活の様子に目配りをすることが重要です。
しかしご家族の視点からは気づきにくい部分もありますし、おひとり暮らしであったり、高齢者だけのご家庭では管理が行き届かないこともあるでしょう。

 

介護職や訪問看護などの医療職が入って初めて、問題点に気づく場合も少なくありません。ご家族と介護・医療職が情報交換を密に行うことが、病気を防ぐカギになります。
「いつものことだから」と考えず、気になったことは気軽に話題にしてみましょう。早期発見と早期治療につなげられます。

 

BPSDが病気のサインである場合も

BPSDは認知症の中核症状に伴う、行動・心理症状のことです。BPSDが出ているとき、ご本人は強い不安や不満、不快感などを抱えていることがほとんどです。
BPSDがなんらかの病気の症状のサインであることもよくあります。痛みや不快感をうまく言葉で表現できず、感情や行動で表現せざるを得ない可能性を、第一に考える必要があります。

 

不眠やがんこな便秘のある方では、症状と連動して、うろうろと歩き回ったり食事や入浴を拒否されたりする行動がでていることがよくあります。
よく眠れた日や排便がきちんとあった日には、BPSDがあまり目立たず、穏やかに過ごせるのです。

 

普段から傾眠(うつらうつら居眠りすること)がみられる方では、体調によってより傾眠傾向が強くなったり、逆に覚醒していることが多くなったりすることもあります。

 

メモ程度でよいので、その日の機嫌や行動、食欲、睡眠時間などを記録しておくことで、病気のサインに気づきやすくなります。

 

●認知症のBPSDについてはこちら
→認知症のBPSD(行動・心理症状)、接し方のコツ

 

認知症のある方の生活習慣病の悪化に注意

生活習慣病など、長期間、生活習慣の改善と内服薬でコントロールしていく(付き合っていく)べき病気が、認知症の発症を境に悪化する場合があります。
生活習慣が崩れ、適切な服薬ができなかったり、血圧や血糖値を測定することができなかったりする結果、コントロールを失い、急激に悪化してしまうのです。

 

生活習慣病などの治療は認知症の発症後も、以前と変わりなく行うことが目標です。
生活習慣病の治療を担当する医師が、認知症の治療を担当する医師と別である場合は、医師同士で医療情報を共有してもらえるよう頼みましょう。
それによって薬の重複処方を防ぎ、生活および治療に関する注意事項などを双方の医師から指導してもらうこともできます。

 

訪問看護や訪問薬剤師などに定期的に来てもらうことによって、薬の飲み忘れを防いだり、糖尿病の合併症を早期発見するフットケアなどを頼んだりすることもできます。

 

●糖尿病を持つ高齢者を介護するときの注意点などはこちら
→糖尿病を持つ人の介護で気をつけること

 

がんなどでは、検査・治療の進め方が難しい

認知症の程度によっては、不調の原因を探るために詳しい検査をしたり、その先の治療を行ったりすることが困難になるケースもあります。
ご本人に病気である自覚がなかったり、検査や治療の意味を理解できないことなどがその原因です。

 

・CTやMRIなどの画像検査で、狭い機械の中である程度の時間じっとしていることができない
・バリウムや下剤など検査に必要な薬剤を飲むことができない
・痛みを伴う検査や治療をがまんすることができない
・点滴の針などをひきぬいたり、包帯をとってしまったりする
・骨折などで安静が必要なのに、患部を動かしてしまう
・ベッドで寝ていることができず、起きだしてしまう
・外出が大変なため、定期的な通院による治療などが難しい

 

これらのような場合、医療機関によっては人員配置などの観点から認知症のある患者への対応が十分行えず、受け入れを断られることもあります。認知症治療の担当医と相談し、紹介してもらうのが良いと思います。

 

がんなどの重大な疾患が疑われる症状がある場合、検査や治療を進めるうえで、ご本人の意思の確認がとれているかも焦点になります。
また、意思の確認が十分できない場合、ご家族がどのようにしてご本人の意思を汲むか、あるいはご本人に代わってどのように方針の決定を行うかといった難しい問題もはらんできます。

 

「これが正解」という答えはないものかもしれません。ただし、ご本人が置き去りにされて、ご家族などの介護者と医療者のみで方針決定がされることのないようにしなければなりません。
現時点でご本人の意見を聞き取ることが難しくても、認知症の発症前にどのような意見をもっていたか、現時点でどこまで理解でき、どのような意思表示ができるのかなどを、ご家族間で話し合うことが大切です。

 

認知症と診断されたら、歯科や眼科、耳鼻科にもかかっておきたい

2認知症が進むと、入れ歯の具合を直したり、メガネや補聴器などを合わせたりといったことが難しくなっていきます。
これらは、ご本人の主観による訴えによって、調節される器具だからです。

 

できれば、認知症と診断されたら、早期にこれらの調節のために、歯科、眼科、耳鼻科などに行っておくほうがよいと思います。

 

歯科では、口腔ケアの相談ができます。歯に問題があると、栄養不良に陥ることもあります。歯や入れ歯、口腔内の清潔保持は、誤嚥性肺炎を防ぐためにも重要です。
訪問診療をしているところもあります。

 

目や耳などの感覚器は、認知機能に大きな影響を与えますし、コミュニケーションを良好に保つことで、QOLはよりアップします。

 

認知症で起こる「幻覚、妄想、不眠、せん妄」

レビー小体型認知症では、はっきりした幻視などの幻覚があることが特徴のひとつです。レビー小体型認知症以外の認知症でも、幻覚や妄想が発現することはあります。
また昼夜逆転、不眠などが出る方も少なくありません。

 

特に夕方~夜間などに、意識障害の一つであるせん妄が現れる方もいます。認知症のある方では、体調の変化でせん妄が出やすくなることも知られています。

 

●せん妄について詳しくはこちら
→せん妄はなぜ起きる?

 

これらの症状は、認知症のBPSDととらえられます。
介護をする家族や介護職による対応が難しいほどになった場合は、医療機関で睡眠導入薬や精神安定薬、抗精神病薬などを使って治療することも選択肢に入ります。

 

高齢のため腎機能の弱い方では効き目が強く出すぎたりして、適切な用量を定めるのに数週間~数ヶ月かかることもあります。ですが、適切に抑えることができれば、ご本人が誰より楽になります。
ご家族が認知症の治療の担当医にこまめに症状を伝えることで、治療薬の調節を細やかに行えます。

 

認知症を発症された方との生活は、ゆるやかに長く続くことが多いものです。
ご家族にとっては大変なことのほうが多いかもしれません。ご家族は、ご本人が人生を生き切るための伴走者です。
繰り返しになりますが、一人で悩まず、遠慮なく周囲の介護スタッフ、医療スタッフを巻き込んで、時に伴走を交代してもらい、立ち止まりながらゴールを目指していきましょう。

 

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プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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