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家庭でできる認知症のリハビリテーション~高齢者の認知症8

2017年11月24日

大切な誰かが認知症にかかったとき、「ああ、あれもこれもできなくなった、忘れてしまった」と嘆きたくなります。けれども、その人の「生」「生活」は続いています。
だから「今まだできること」に着目してみましょう。それが少しでも長い間できることを目標に、リハビリを組み立てていきます。
ケアの根本である「その人の尊厳を守ること」は、本当に広い概念を含みます。「できることを」を見つけて、大切にすることは、尊厳を守ることの大きな部分を占めるのではないでしょうか。
ここでは、ご家庭でできるリハビリについて、その考え方をお伝えしていきます。

 

<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄 / 文:椎崎亮子>

 

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認知症での「機能訓練」の考え方

1認知症のリハビリテーション(リハビリ)といえば「脳トレ」と思う方も少なくないと思います。パズルや計算問題などを活用して「脳を鍛える」こともリハビリの一環ではありますが、それがすべてではありません。

 

認知症では、すべての認知機能が一律に衰えてしまうわけではありません。記憶、空間認知、遂行機能などのさまざまな認知機能が、さまざまなレベルで衰えていくものです。

 

認知症の種類によっても、苦手なこと、得意なことに違いがあります。その人の送ってきた生活史によって個人差もあります。
さらには、その日その日の心身の調子によっても違うのです。

 

つまり、何もかもできなくなっているのではなく、「できること」はまだたくさんあるのです。今できないことでも、ちょっとしたサポートがあればできるかもしれません。

 

高齢者の認知症のリハビリは「できないことをできるようにすること」を目指すのではなく、「今できることを最大限に活かすこと」を目指します。
認知機能を上げることにこだわるのではなく、「今、その人に残されている心身の機能(残存機能)」をどれだけ生かせるかに注目すれば、よりその人のQOLは維持・向上するのです。

 

今残されている機能も、使わなければ衰えてしまいます。廃用性症候群と呼ばれ、身体の機能を使わなければ脳の機能も衰え、意欲まで減退するのです。
機能訓練とは、残存機能の維持・向上を意識して「使うこと」だと言えます。

 

医療のリハビリと、それ以外のリハビリの違い

デイケア(通所リハビリテーション)や訪問リハビリテーションなどは、医療の一環としてのリハビリと位置付けられ、作業療法士や理学療法士、言語聴覚士などの医療スタッフが担当します。
そして利用開始時にかかりつけ医の指示書が必要です。またデイケアには担当の医師がいます。

 

デイケア等の利用を希望するときは、まずはかかりつけ医にそれを伝えます。
医師はその人の認知機能、身体の状態などを勘案し、ご本人やご家族の意向を踏まえたうえで、「これこれのリハビリが必要です」という内容の診療情報とリハビリの指示書を書きます。

 

その情報はデイケア等の医師と、作業療法士や理学療法士、言語聴覚士などの医療スタッフおよび介護スタッフと共有され、指示書に沿ったリハビリの計画が立てられ、実施されます。リハビリ専用の機器なども専門家の下で使われます。
また、実施後1~3ヶ月毎に、リハビリの効果などの評価が行われ、内容の見直しなどがされます。

 

デイサービス(通所介護)や介護施設でのリハビリは、デイケア等とは異なり、介護職がリハビリを担当することがありますが、医療とはみなされません。あくまでレクリエーションや生活の一環ということになります。
この場合は器具等も使われません。ただし、デイサービス等の施設に、理学療法士などの医療スタッフがいてリハビリを担当する場合は、医療的なリハビリと認められる場合もあります。

 

ご家庭でご家族がリハビリに関与することも可能です。
もちろん医療ではありませんが、ご本人の安全を確保することが重要ですので、かかりつけ医や訪問看護師、介護職などに実施について相談するとよいと思います。

 

ここからは、ご家庭でできるリハビリについて見ていきましょう。

 

「できないこと」ではなく「できること」に着目しよう

2たとえば「大好きだったはずの料理ができなくなった」という方がいるとします。
その人がなぜできないのか、どうすればできるのかは、「料理」という課題を細かく分けていくと見えてきます。

 

料理は、非常に複雑に認知機能を使う作業です。
どんな料理をいつ、何人分作るのか。どんな材料をどのような手順で、どんな調理器具を使って調理すればよいのか。どのように調味料を使い、味の加減はどうすればよいのか。どんな食器に盛り付けるのか。

 

そのどこかでつまづいてしまい、料理に失敗する。その失敗の嫌な経験がもとで、やる気を失ってしまっていることだって考えられます。

 

誰かが一緒に献立をたて、買い物をして材料をそろえれば、調理はできるかもしれません。
包丁や火を使うことが不安な方は、そばにできる人がついていたり、あらかじめ材料を刻んでおいたりすることで、安心して調理できるのかもしれません。
味付けの加減は、声をかけて教えてあげることで、自分でできるかもしれません。
たとえば「味噌汁とは何か」を忘れてしまっていても、手順や味は覚えているかもしれません。

 

調理の一部だけ、盛り付けだけ、配膳だけであっても「できる」ことを一つでも見つけられれば、「料理ができた」という満足感が、その人によみがえるかもしれません。

 

「できることを見つける」とは、「できない」課題を細分化して分析し、そのうえで「どうすればできるのか」をその人と一緒に考え、適切にサポートすること、と言えるでしょう。

 

認知症を持つ人に「役割を持ってもらう」ことの本当の意味

よく、「認知症があっても、その人に合った役割を持ってもらいましょう」といいます。では、「役割を持ってもらう」とはどういうことでしょうか?

 

「役割」とは、その人に義務を負わせることではありません。
例えば、「毎朝起きたら、朝刊を郵便受けから取ってくることを認知症を持つお父さんの役割にする」とします。
ある朝、お父さんは朝刊を取ってくることを忘れてしまいました。「あら、忘れているわよ、ちゃんと取ってきて」と声をかけて役割を果たしてもらう。
それだけでは意味がありません。

 

「今日もありがとう、また明日お願いしますね」と言ってもらえること。何か他人の役に立っている、と感じること。それこそが、役割を持ってもらうことの大きな意味です。

 

朝刊を取ってくることを忘れてしまったお父さんにかける言葉は、「お父さん、すみませんが、朝刊を取ってきてもらえませんか?」そして取ってきてくれたら「助かったわ、ありがとう」と笑顔で伝えることではないでしょうか。

 

日課をルーチンワーク化することのすすめ

認知症のある人は「いつもと違うこと」「臨機応変」が苦手だといわれます。突発的なことに対応するには、高度な認知機能を必要とするからです。
「わからない」「どうしよう」という戸惑いは、意欲をそぎますし、つらさ、しんどさになりかねません。

 

一日の流れをルーチンワーク化すると、スムーズにできるようになることも多々あります。
例えば、失禁のある方では、食事の時間を決めてその前後にトイレに誘導することで、失禁をせずに済みます。

 

薬の飲み忘れがある方でも、食後に必ず、水の入ったコップを渡し、「お薬入れから食後のお薬を出して飲みましょう」と声をかけることで、飲み忘れ、飲み間違いが減ります。
デイサービスに毎週同じ曜日に行くと決めることで、生活にメリハリがつくでしょう。毎回同じメンバーと同じ歌を歌い、同じ体操をすることで、安心してデイサービスに通うことができるかもしれません。

 

特に、前頭側頭型認知症の方では、同じ時間に決まった行動をすることにこだわったりする、時刻表的な行動がみられることがあります。それをあえて「日課」として取り入れることで、精神的に落ち着く場合もあるのです。

 

認知症を持つ方には「日常」こそが最高のリハビリ

日常生活が送りにくくなっているから、リハビリを行うわけです。
するとその人がそれまで暮らしてきた日常生活こそが、最もその人に適したリハビリメニュー、と考えることもできます。

 

デイケアやデイサービスなどの通所サービスや訪問リハビリなどで、専門のスタッフがついて行うリハビリは、もちろん脳にとってよい刺激になるでしょう。
ですが、特別なメニューではなく、「生活すること」を目標として、生活上のできないことを「課題」ととらえた、ゆるやかな解決を目指したリハビリもまたよいことです。

 

認知症になっても、住み慣れた地域で日常生活をその人なりに送ること。国がオレンジプランの中でも示していることです。
「ハードルが高い」「できないから施設に行ってもらう」それもまた、介護をする家庭の本音かもしれません。家族だけで対応できないことも、ケアマネジャーや訪問看護師などに相談したり、訪問リハビリを利用したりすることで、道が開かれていくかもしれません。

 

音楽療法、回想法、アート療法、アニマルセラピーなどは?

3認知症のケアの一環として、さまざまな活動の情報を見聞きすることも増えてきました。

 

その人が若かったころ、子どものころのことを話題にしたり、写真などを見たりしながら思い出してもらう回想法、好きな音楽を演奏したり一緒に歌ったりすることで、その人の心の底の思いに触れようとする音楽療法。
適切にしつけをされた動物を連れたハンドラーが施設に訪れ、動物とともに過ごすことで、言葉を使わないコミュニケーションや癒しを受け取ることのできるアニマルセラピー。

 

どれも、認知症を持つ人の機能訓練として非常に優れた面を持ち、精神的にも良い影響を及ぼすことがわかってきています。

 

これらの活動が、年に1、2回のイベント程度でも、レクリエーションとして脳によい刺激を受けることができます。ですが、ある程度計画的に頻回に行い、日常として取り入れられているほうが、より高い、持続的な効果を発揮します。
通所サービスなどで、定期的にプログラムを組んでいるところもありますので、探してみることも一法です。

 

「認知症を持つ本人の希望」を聞いて進める

ご家族などの周囲の人が良かれと思って勧めることであっても、ご本人の意思に反するようではよいリハビリにはなりえません。
もちろん、通所サービスなどは、最初のうち「その場に慣れていただく」ことが大事で、ある程度ご本人に我慢をしてもらうこともあるかもしれません。

 

ですが、もともと知らない人の中に入るのが嫌いな人に、大勢の利用者が集まる通所サービスに通わせたり、若いころから運動の習慣がない人に「がんばれがんばれ」と運動を無理強いすれば、結果としてBPSDを強くしてしまったり、転倒などの事故につながったりもします。

 

ご本人の意向を傾聴して、その人に合ったリハビリメニューを一緒に考えることができれば、何よりよいと思います。
好き、嫌い、やりたい、やりたくないなどのクローズドクエスチョン(はい、いいえで応えられる質問)による簡単な意思表示は、かなり認知症の進んだ方であっても、ちゃんとできます。
その人のこれまでの生活史を担当のケアマネジャーやサービス責任者と共有し、何よりもその人なりの「思い」を置き去りにしないようにしたいものです。

 

次回は、認知症の方がかかりやすい病気などについて、日常のケアとともにお伝えします。

 

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●「高齢者のかかりやすい病気・疾患」の一覧を見る
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プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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