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脳卒中が原因の「血管性認知症」~高齢者の認知症2

2017年10月6日

認知症は一つの病気の名前ではありません。認知症を引き起こす病気は実にさまざまです。
主なものには、脳卒中(脳梗塞や脳出血など)といった血管の病気、アルツハイマー病やレビー小体病、ピック病(前頭側頭葉変性症)のような神経細胞が変性する病気があります。
原因と推定される病気に従い、「血管性認知症」「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」などと呼ばれます。

 

これから数回にわたり、認知症の主な原因となる病気と、それぞれの病気が引き起こす認知症の特徴、治療の方針などについてみていきます。
今回は、「血管性認知症」について詳しくお伝えします。

 

<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄 / 文:椎崎亮子>

 

「認知症の原因」は解明しきれていない

1どれぐらいの人が認知症にかかっているのかや、認知症の原因となる病気についてはいまだ不明なことだらけなのが実情です。日本各地で疫学調査(地域住民のデータを解析する調査)が行われ、近年になり少しずつ解明されてきています。

 

それらの疫学調査によると、最も多い認知症は、アルツハイマー型認知症、次いで多いのが脳梗塞や脳出血、くも膜下出血を総称する脳卒中に起因する血管性認知症です。さらにレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症と続きます。

 

この中で今回取り上げるのは、脳卒中に起因する「血管性認知症」です。

 

脳卒中を原因とする「血管性認知症」

脳卒中(脳の血管が詰まる・破れて出血するなど)を起こすと、脳の神経細胞が回復できないダメージを受けます。
その結果、回復することのない認知機能障害がおきると考えられます。
これが血管性認知症です。

 

血管性認知症は、脳卒中が発症した直後におきるとは限りません。1~3ヶ月のタイムラグがある場合もあります。
逆に、本人やその家族が脳の異常に気づかないうちに、認知症の症状が急激に表れ、調べてみたらたくさんの脳梗塞があった、といった場合もあります。

 

1人の患者さんに「認知症」と「脳卒中」の両方があり、この2つが強く関係していると考えられるときに、その認知症は「血管性認知症」であると診断されるのです。

 

脳卒中は、もともと高血圧や糖尿病といった血管に強い負担がかかる病気が根底にあり、その結果として、血管が詰まりやすくなったり、もろくなって破れたりして起きるものです。
脳の病気というより、血管の病気、つまり全身の病気とみなされます。

 

「脳血管性認知症」と呼ばれることもありますが、血管や全身の病気とみなされているという意味で、「脳」をつけずに「血管性認知症」と呼ばれています。

 

●脳卒中について詳しくはこちら
→「高齢者の脳卒中」

 

脳卒中を起こすと必ず認知症になる?

脳卒中を起こしたとしても、必ず認知症になるわけではありません。
脳に受けたダメージが比較的軽く、ほとんど後遺症を残さずに治癒する場合や、麻痺などの体の障害がおきても認知機能には問題がないこともあります。
また、軽度の認知機能障害がおきていても、社会で生活していくうえで差支えがなければ、認知症とは呼びません。

 

【脳卒中の種類1】脳の血管が詰まる脳梗塞

脳梗塞は、脳に張り巡らされた血管の中に血栓(血の塊)が詰まり、血流が途絶えた結果、脳の神経細胞が死んでしまう病気です。
脳梗塞には3つのタイプがあります。

 

心原性脳塞栓症
心房細動などの不整脈により、心臓の動きが悪くなった結果、心臓内部に栓子(せんし)と呼ばれる血栓ができ、それが拍動とともに脳へ飛んで脳の動脈を詰まらせてしまうものです。

 

アテローム血栓性脳梗塞
血管の壁にアテロームと呼ばれる、コレステロールなどの塊がへばりつき、これに血液中の免疫細胞や血小板が寄り集まって、血栓を作ります。これが脳の太い血管を詰まらせるものです。

 

ラクナ梗塞〔別名・穿通枝(せんつうし)梗塞〕
脳の比較的細い血管の壁にアテロームが付着し、小さな血栓(おおむね15ミリ以下)ができて詰まってしまうものです。

 

「心原性脳塞栓症」は、生活習慣病とあまり関係がありません。
しかし、「アテローム血栓性脳梗塞」や「ラクナ梗塞」は、おおもとにある高脂血症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病が原因となっています。
つまり、アテローム梗塞、ラクナ梗塞はいわば「生活習慣病による脳梗塞」と言えます。

 

脳梗塞の結果として起きる血管性認知症は、生活習慣病を防ぐことである程度「予防できる」認知症なのです。

 

【脳卒中の種類2】脳内出血、クモ膜下出血

2脳の中にある血管が破れて出血し、脳内に血液がたまるものを脳内出血、脳を覆う膜の一つであるクモ膜とその内側の軟膜の間に血液がたまるものをクモ膜下出血と呼びます。

 

出血によって脳に栄養と酸素がいきわたらない「虚血(きょけつ)」の状態となることと、たまった血液が脳を圧迫することによって、その部分の神経細胞がダメージを受けます。
出血部位や出血の量によっては死に至る病気であることはご存知の通りです。

 

脳卒中は「知らないうちに起きている」ことも

よほどの大量出血や、大きな梗塞であれば、いきなり意識を失って倒れるといった大発作も起きます。しかし、実際の脳卒中の発作は、見過ごしてしまうような小さな変化であることも少なくありません。

 

詳しくは以下の記事を参照してください。
→早く病院へ!知っておきたい脳卒中の症状~高齢者の脳卒中

 

発症後2時間以内に治療を開始することが、脳卒中の救命率や、その後の後遺症の発症の有無、症状の軽減に大きく寄与することがわかってきています。
血管性認知症も後遺症の一部なのです。

 

血管性認知症の特徴は?

3さて、このような脳卒中によっておきる血管性認知症には、どのような特徴があるのでしょうか。

 

(特徴1)急激に認知症の症状が現れる・階段状に悪化する
アルツハイマー病などの脳の神経細胞が変性する病気では、ときに十数年といった長い時間をかけて認知症の症状が現れます。
しかし、血管性認知症では、ある日突然、あるいは数日、数週間といった短い時間経過の中で認知症の症状が強く現れるのが特徴です。

 

ラクナ梗塞のような小さな梗塞が起きている場合などは、認知症の症状が出たと思ったら軽くなったり、逆に階段を下りるように悪化したりすることもあります。

 

(特徴2)麻痺や失行、失語が伴うことも
身体の動きや機能をつかさどる脳の神経細胞がダメージを受けるので、さまざまな神経症状が認知症とともに出現します。

 

多くは、片麻痺(体の右半分もしくは左半分が麻痺する)を伴い、脳の右半分にダメージを受けると左半身に、脳の左半分にダメージを受けると右半身に麻痺が起きます。
四肢の麻痺では、歩けない、物がつかめないなどの症状が出たり、また、極端な小刻み歩行やすり足歩行などが現れる場合もあります。

 

四肢の麻痺だけではなく、嚥下や発音などの口の機能の低下、失禁や排尿排便困難などの排泄の機能低下が起きることも。また、身体の機能には問題がないはずなのに、歩く、排便排尿するといった行動ができなくなる失行(しっこう)が現れることもあります。

 

卒中が脳の左半分で起きた場合、脳の言語を司る部分がダメージを受け、言語障害を起こしやすくなります。
ろれつが回らない、発音できないといった口腔機能の問題と、文字の意味が分からず読み書きができない、聞いた言葉の意味が理解できない、話そうとしても適切な言葉が出ないなどの失語が合わさったもので、症状はその人によりさまざまです。

 

(特徴3)うつ症状や不安などの精神症状が起きやすい
認知症には、不安やうつ症状といった行動・心理症状が伴います。
特に血管性認知症では、他の認知症と比べ、うつ症状や不安症状が出やすい傾向にあるようです。

 

(特徴4)高齢者では、他の原因による認知症が合併することも
たとえば、もともとアルツハイマー型認知症がある人に脳卒中が起き、血管性認知症が合わさることもあれば、血管性認知症のある人がレビー小体型認知症にもかかっているといったこともあります。
このような場合は「混合型認知症」と呼ばれます。

 

もともとなんらかの認知症を持つ人では、脳卒中が起きていることに周囲も気づかないことがあるため、認知症の急激な進行と思われる症状がみられる場合は、注意が必要です。

 

(特徴5)脳卒中を繰り返せば、認知症も悪化する
特に脳梗塞では、複数の梗塞が次々起こる「多発性梗塞」がおこりえます。
小さな梗塞であっても、いくつも重なることで脳の広い領域が障害され、そのたびに認知症も深まっていくのです。

 

血管性認知症の治療は?

残念ですが、血管性の認知症を治癒させる治療は存在しません。
認知症の症状の進行を遅くするためには、アルツハイマー型認知症などと同じく、ドネペジル塩酸塩などの認知症治療薬が使われます。

 

脳卒中は再発しやすい病気であるため、繰り返されることがないような治療が優先されます。
たとえば、脳梗塞がある場合は、梗塞のもととなる血栓ができないように、抗血小板薬や抗凝固薬といった薬を服用する治療が行われます。

 

また、何より大切なのが、おおもとになっている生活習慣病の治療です。
タバコをやめ、お酒や過食を改める、塩分や糖分を減らす、ストレスを減らすなどの生活習慣を改めることが筆頭です。さらに、高血圧や糖尿病がある場合は、その治療を怠りなく行います。
血管性認知症の改善や治癒は見込めなくても、悪化を防ぐことはできるのです。

 

また、麻痺や失行、失語等がある場合は、これに対するリハビリを継続して行うことがとても重要になります。体の機能を保つことは、それをつかさどる脳の機能を保つことに直結するのです。

 

ここでは「血管性認知症の治療」に注目しましたが、他の認知症も含んだ治療については、このシリーズの後半にお伝えします。

 

次回は、アルツハイマー型認知症についてみていきます。

 

●「高齢者のかかりやすい病気・疾患」の一覧を見る
●「在宅医 ドクター上條に聞く」のコーナーをすべて見る

 

プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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