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体が痛い原因は「心」かもしれない~高齢者の体の痛み4

2017年7月14日

病は気から、といいますが、体に起こる痛みもまた、心、つまり精神状態と密接にかかわっています。
高齢者は、痛みそのものや、病気・けがによる障害、ADLの低下などに不安を抱えていることが少なくありません。それが、痛みを増幅させたり、長引く痛みの訴えとして表出されたりすることもあります。
身体とともに、気持ち、心の面に配慮することで、痛みの治療がうまくいくことも多いのです。

 

<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄 / 文:椎崎亮子>

 

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長引く胃の痛みに苦しんだAさん

1在宅医の上條先生は、健康に対する不安などが、長引く痛みにつながっていた例があるといいます。

 

Aさんは、原因不明の胃の痛みに悩まされていました。夜になると痛みが襲ってきて、昼間は軽減します。痛みの発作時には救急車を呼ぶほどなのに、病院に行くと痛みは治まるのです。
内科で詳しく調べても確たる原因がわかりません。痛みの外来(麻酔科)などにもいき、さまざまな治療薬も処方されたのですが、一向に痛みの訴えがおさまる気配がありませんでした。

 

Aさんのケアマネジャーを通じて、在宅医である私のところに「抑うつ状態になっていて、そのためにADLが下がってしまい通院ができなくなりました。訪問診療をお願いできませんか」と連絡がありました。

 

Aさんに会い、話を聞いているうちに、なんとなく見えてきたことがありました。
Aさんは、いろいろな医療機関や医師に訴えを繰り返しているうちに、どうも「自分の痛みを医療者にわかってもらえない」という気持ちを抱えてしまったようなのです。それに、救急車で病院へ行ったときに、医師から「タクシー代わりに救急車を使うな」というようなことも言われたそうです。

 

もしかしたら、Aさんが何度病院に来ても、どんな薬を処方しても、症状が改善せず訴えがやまないために、医療者がAさんを敬遠するような態度を見せたのかもしれません。

 

「医師や医療機関に見放されている」と感じたAさんが不安をつのらせ、ますます痛みを訴えるようになる……という悪循環に陥っているのではないかと、私には思えました。

 

Aさんには、「24時間365日、いつでも必要があれば診ます」ということをまず伝えて、安心してもらいました。痛みの訴えにじっと耳を傾け、共感して治療にあたるうちに、やがてAさんの痛みの訴えはなくなっていきました。

 

抗うつ薬などを処方することも

長い間、慢性の痛みを訴えいてる方では、Aさんのように心の問題を合わせて持っている場合も少なからずあります。不安やストレスが引き金となり、交感神経が優位になって、いわゆる神経性胃炎や過敏性腸症候群を引き起こすことがあるのです。

 

これらの疾患を抱える方には、もちろん治療薬を用いて消化管の治療をするのですが、それだけでは十分ではありません。
抑うつ状態などを緩和するために、抗うつ薬や向精神薬などを適宜組み合わせて処方することで、改善されていくこともあります。

 

心の痛みには、安心が「薬」になる

2Aさんの痛みが治まらなかった背景には、医師や医療機関(あるいは家族や介護者かもしれません)に見放された、大事にしてもらえない、という気持ちがありました。

 

一般的にも、「周囲に粗末に扱われている」という思いが、「痛み」という、訴えやすい症状となって表出されることがあります。
子どもでも起こることがあります。たとえば学校でいじめる同級生がいるのに先生もわかってくれない、だから学校に行くのが苦痛だ、というサインが「おなかが痛い」だったりします。仮病ではなく、本当に痛いのです。
痛んでいるのはおなかではなく、「心」であったとしても、「痛み」として表現しているわけです。

 

高齢者でも、同じように精神的な痛みが、実際の体の痛みにつながっているのです。
このようなことを考えると、痛みを訴える方への最初の対応は「安心を提供する」ということが大切です。ご家庭で、あるいは施設で「痛い」を繰り返す方には、医療者と介護者・家族がしっかり連携して、医療とともに安心を与えてあげてください。

 

丁寧に訴えを聞き、医療につなげる。治療をしながら、家族などができる普段のケアとしては「医師(あるいは看護師)のアドバイスですから、患部を温めてゆっくり休みましょう」といった言葉をかけること。その言葉かけで、高齢者は安心します。
薬を飲んでもらうときにも「先生が、この薬は良く効くと言っていましたよ」などの言葉を添えることで、一種のプラセボ効果(*)ではありますが、効果が上がることもあるのです。

 

*プラセボ効果 有効成分を含まない偽薬を患者が服用すると、薬を飲んだという安心感で症状が改善することがあるという効果

 

 

プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

 

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