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床に就く時間が長い人特有の“痛み”を理解する~高齢者の体の痛み2

2017年6月30日

床に就く時間が長くなった高齢者は、四肢の筋肉などの衰えや、関節を動かさないことによって、痛みが出てくることがあります。
それとは逆に、横になっている時間が長くなることで楽になる痛みもあります。
1日のうちのほとんどをベッドで過ごすようになっても、その人なりの生、そして生活が続きます。痛みを理解することで、できるだけ軽減をはかりたいものです。

 

<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄 / 文:椎崎亮子>

 

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変形性関節症(膝や股関節): 歩かなければ痛みからは解放される

1変形性関節症は、加齢などの影響によって関節の軟骨がすり減り、変形して痛みが出る病気です。
膝や股関節など体を支える大事な関節に起きることが多く、加齢にしたがって患者数が増える病気です。女性の方が割合が多いと言われます。

 

この病気の方は、薬の治療で痛みをコントロールするとともに、杖や歩行器を利用して関節に負担がかからないように生活している方も多いでしょう。
一度変形した関節をもとに戻すことはできないので、基本的には痛みと「付き合って生きる」ことになります。
2本の足で歩くという、人間として大切な行動が制限されてしまうつらい病気です。

 

ですが、介護が必要になり、車いすを使うようになったり、寝ている時間が長くなったりした方では、変形性関節症があっても痛みの訴えが減ります。関節への負担がなくなると、痛みも出にくくなるからです。

 

偽痛風: 炎症や体全体の発熱で気づくことも

横になっている時間の長い方なのに、突然膝関節などの痛みを訴えることがあったら、変形性関節症による痛みではなく偽痛風(ぎつうふう)という病気を疑います。

 

偽痛風は、関節の中にピロリン酸カルシウム(CPPD)が沈着して軟骨が石灰化するために、関節炎が起こるものです。CPPD沈着症が正式名で、60歳ごろからかかる人が増え始め、多くの患者さんが80代以降という特徴があります。
これも変形性関節症のように、股関節や膝関節、手首や肘、肩の関節など大きな関節に発症することが多く、動かすと強い痛みの訴えがあります。
感染ではないのですが、痛む関節の部位は赤く腫れ、熱感も伴う炎症を起こします。ときに、体全体に及ぶ発熱でご家族などが気づく場合もあります。

 

「偽痛風」という名前の由来は、いわゆる「痛風」とよく似た症状が出ることからです。しかし、病気の原因は全く違います。
普通の痛風は体内で尿酸の代謝がうまくいかなくなり、血液から尿酸が結晶の形になって関節に沈着しておきます。関節の病気というよりは、内科的な(全身の)病気なのです。

 

偽痛風の場合、なぜ関節にピロリン酸カルシウム(CPPD)が沈着するするのか、まだ不明な部分もあります。60歳以下の比較的若い方が発症する場合は、遺伝的な要因もあると考えられています。
また、変形性関節症の既往のある方では、変形した関節の軟骨にピロリン酸カルシウムが蓄積しやすいとも言われていますが、はっきりした関係はわかっていません。

 

偽痛風は、患部をX線撮影することで診断できます。軟骨に沈着したCPPDが点々と白く映るからです。

 

偽痛風の治療は対症療法(症状を取る治療)

軟骨に沈着したCPPDを取り除くことは、今の医療ではできません。また、予防の方法もわかっていません。

 

偽痛風と診断されたら、非ステロイド性の消炎鎮痛薬(NSAIDs)を服用する対症療法を行うのが一般的です。しかし、高齢者の場合、NSAIDsは腎臓に負担をかけるので注意が必要です。
関節の痛みが非常に強い場合は、関節内に副腎皮質ステロイドの注射をすることもありますが、さまざまな副作用が考えられるため、使用の判断は慎重に行われます。

 

拘縮: 麻痺や筋肉の衰えが引き金に

2拘縮(こうしゅく)は、第1回目にも書きましたが、筋肉や腱、関節包などが固くちぢこまり、そのために関節が伸ばせなくなってしまう状態を指します。
関節の動く範囲(可動域といいます)が極端に狭まってしまうため、拘縮の起きた手足を普通に動かそうとしても固まってしまったようになって、動かすことができません。無理に動かそうとすると強い痛みがあります。

 

脳梗塞などで麻痺のある側の手足の関節がそのまま固まってしまったり、寝た状態が長いと、廃用(使わなくなって衰えること)のために筋力が低下してしまったりすることが原因です。

 

一度拘縮を起こしてしまった関節は、元に戻すことが大変難しいため、できる限り拘縮を起こさないように、リハビリなどを行って予防することが大切です。

 

拘縮の痛みには、理学療法などが行われる

拘縮が起きて痛みがある場合、医師の指示にしたがい、理学療法士によるリハビリ(理学療法)が行われます。関節可動域訓練といって、少しでも関節が動くように筋肉や関節を動かすものです。治療の一環として健康保険が適用されます。
理学療法士や医師の指導の下で、家族が継続して行うことも可能です。

 

同じくあんまマッサージ師による、リハビリではないマッサージも行われます。これは、拘縮によって凝り固まった筋肉をやわらかくほぐして、痛みを軽減するものです。これは治療ではありませんが、医師の同意書があれば、健康保険が適用されます。

 

お風呂や足浴などの部分浴で患部を温めることにより、理学療法の効果が上がりやすくなります。理学療法を行うことで、拘縮が改善すると、痛みも軽減します。

 

次回は、高齢者の痛みの治療で、家族などの介護者が気を付けたいことを考えます。

 

 

プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

 

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