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結核と似た症状だけど、別の病気?「高齢者が結核になったら?」3

2017年5月19日

第1回第2回で結核を取り上げてきました。
ですが実は、結核とそっくりの症状を示すけれども、結核ではない病気があります。
それが、「非結核性抗酸菌症」です。結核と同じように、咳や血の混じった痰が出る病気です。

 

結核菌が属す「抗酸菌」という細菌により起こる病気で、結核との区別がつけにくいため、老人ホームなどの高齢者施設や、デイサービスなど人が集まるところでは、対処に困ることもあります。
しかし、結核とは異なり人から人にうつることはなく、病気にかかった人の治療は必要でも、入院や隔離などは必要ありません。

 

今回は、非結核性抗酸菌症について取り上げます。正しい知識を身につけて、適切に対処しましょう。

 
<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄 / 文:星野美穂>

 

 

【質問 独り暮らしの母が結核を発症。これからの治療、どうなるの? 82歳・要介護1】

82歳の母が結核との診断を受けました。これから入院治療が必要だということです。高齢でもあり、心配です。結核の治療ってどんなことをするのですか。
(相談者:娘)

 

一人暮らしの82歳の母が、結核だといわれました。
母は現在、毎日ヘルパーさんに来ていただき、一日おきにデイサービスに通う生活です。私も週に1回は母の家に行っています。
ここ一カ月ほど、なんだか元気がなく、食欲も落ちて…(続きはこちら)

 

 

【 上條先生の回答 】前回からの続き  *1回目前回(2回目)はこちら

咳や血痰など、結核と似た症状が出る病気

1「非結核性抗酸菌症」とは、結核菌以外の抗酸菌による感染症を指します。
抗酸菌は、土や水、食物など、私たちの身の回りに多く存在しています。

 

非結核性抗酸菌症は、空気中を漂う抗酸菌を吸入したり、抗酸菌を含んだ水や食物を口にしてしまうことで感染します。
ただし、すべての人が発病するとは限らず、発症するのはごく一部の人で、高齢者などの免疫機能が低下している人は、発症しやすいと考えられます。

 

結核とは異なり、人から人へ感染することはありません。

 

「非結核性抗酸菌症」は数年から10年以上かけてゆっくりと進行

感染初期は無症状のことが多いですが、病気が進んでくると、咳やたん、息切れなどの呼吸器症状、発熱や食欲不振、体重減少などの全身症状が現れてきます。
血の混じった痰(血痰)が出ることもありますが、これは肺の上部の気管支に病気が起こるためで、病気の重さとの関係はありません。

 

病気の進行は非常にゆっくりで、数年から10年以上ほどかけて少しずつ悪化していくことが多いです。
症状がないため気が付かず、検診などで肺に影が出て指摘されることもあります。
診断のためには、胸のレントゲンやCTを撮って、肺に異常な影がないかや、痰のなかに抗酸菌が混じっていないかも調べます。
ただし、抗酸菌はどこにでもいる菌のため、2回以上、痰を採取して確認する必要があります。菌を培養して調べるため、結果が出るまでに時間がかかることがあります。

 

長期間の治療が必要、治療後は見守りも

2病気を起こす抗酸菌は数種類あり、日本で特に多いのがMAC菌です。非結核性抗酸菌症の約8割はMAC菌が原因で起こります。
約1割がカンザシ菌、そして残りがその他のさまざまな菌により起こっています。

 

カンザシ菌による非結核性抗酸菌症の治療は、結核とほぼ同じ抗菌薬を使います。カンザシ菌は非常に薬が効きやすく、抗菌薬の投与でほとんどの患者さんが治療できます。
ただし、1年間は薬を飲み続ける必要があり、途中で中断することは避けなければなりません。

 

一方、非結核性抗酸菌症で8割を占めるMAC菌は、抗菌薬が効きにくい傾向にあります。
MAC菌による感染は、肺MAC症とも呼ばれています。現在増加傾向にあり、特に中年女性に増えています。
肺MAC症の治療には、3種類の抗菌薬を服用し、症状によっては、注射剤を使うこともあります。
通常、クラリスロマイシン、リファンピシン、エサンブトールの3剤を最低1年半かけて飲み続けます。痰などから菌が培養されなくなっても、1年間は薬を飲みます。それでも、菌が完全に消えることはまれで、治療が終わったあとも、定期的に検査して再発していないかどうかを見守ります。

 

発疹や視覚・聴覚の異常など、薬の副作用にも注意が必要

治療に使う薬によって、発疹や発熱などのアレルギー反応が出ることがあります。
また、肝臓や腎臓の機能に影響を与えたり、血小板減少や白血球減少といったことも起こる可能性があります。そのため、定期的に血液検査を行うことが必要です。

 

また、使う薬によっては、ものが見えにくくなるなどの視神経障害や、ふらつき、聞こえが悪くなるといった聴力低下が起こることもあります。
薬を飲みはじめて、これまでとは異なる症状が出てきたら、早急に医師や薬剤師に報告することが大切です。
高齢者ではこうした副作用が出やすくなるため、症状によっては治療をせずに経過観察だけしていくこともあります。

 

水回りの定期的な掃除で感染予防

非結核性抗酸菌症は、症状こそ結核と似た病気ですが、大きな違いは、人から人へは感染しないということです。ですから、家庭や老人ホームなどの施設で普通に生活できますし、隔離や感染予防などは必要ありません。

 

ただし、治療に長い時間がかかるため、治療を継続していくことが大切になります。途中で治療を止めてしまうと、薬が効かない耐性菌を生み出してしまう可能性があるからです。
治療をしていなくても、経過を見守っていくことが必要な病気のため、治療をしていてもしていなくても、定期的に受診することが大事です。

 

抗酸菌は、水回りや土に生息しています。シャワーヘッドやお風呂の排水溝などから検出されたという報告があるため、感染を予防するためにも定期的に掃除をしましょう。
また、土いじりするときは、マスクや手袋をつけると、感染予防になります。

 

咳が続いたり、血痰が出たりすると、「もしかして結核かも!隔離?入院?感染予防はどうしたら?」とあわててしまいがちですが、非結核性抗酸菌症のような病気があるということを知っていると、適切な対処もできますね。

 

 

プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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