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結核の治療で重要な“服薬”の注意点~「高齢者が結核になったら?」2

2017年5月12日

結核の治療は、「感染」しているだけなのか、「発症」しているかで異なってきます。
治療を考えていくうえで、ご本人がどんな状況にあるのかしっかりと把握することは大切です。
ただ、「感染」だけであっても、「発症」していたとしても、薬による治療を行うなら、毎日の確実な服薬が必要になります。
服薬を途中でやめてしまったり、不規則な服薬は、効果がないばかりでなく、耐性菌(抗結核薬が効かない菌)を作り出してしまう原因となるからです。
でも、一人暮らしの親では、毎日の服薬が難しい……。そうしたときの手助けとなる、DOTS(直接服薬確認療法)という方法も紹介します。

 
<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄 / 文:星野美穂>

 

 

【質問 独り暮らしの母が結核を発症。これからの治療、どうなるの? 82歳・要介護1】

82歳の母が結核との診断を受けました。これから入院治療が必要だということです。高齢でもあり、心配です。結核の治療ってどんなことをするのですか。
(相談者:娘)

 

一人暮らしの82歳の母が、結核だといわれました。
母は現在、毎日ヘルパーさんに来ていただき、一日おきにデイサービスに通う生活です。私も週に1回は母の家に行っています。
ここ一カ月ほど、なんだか元気がなく、食欲も落ちて…(続きはこちら)

 

 

【 上條先生の回答 】前回からの続き  *前回(1回目)はこちら

現在、結核の検査はIGRAを推奨

1結核に感染しているかどうかは、ツベルクリン反応検査やインターフェロンガンマ遊離試験などの検査を行って調べます。

 

ツベルクリン反応検査は、ツベルクリンという液を皮膚のすぐ下に注射して、48時間後の反応を見る検査です。結核菌に感染していると皮膚が赤く反応します。
ただし、過去に結核菌に感染していた場合や、結核を予防するためのBCGワクチンを打っていた場合でも反応することがあります。また、検査を受ける人の免疫が低下していると、結核に感染していても陰性反応が出る場合があります。

 

そこで最近では、インターフェロンガンマ遊離試験(IGRA)が推奨されています。IGRAは血液検査で結核の感染の有無を調べる方法です。BCGワクチンの影響を受けないことから、日本のようにBCGワクチン接種率の高い国では特に有用性が高いと考えられています。

 

結核を「発症」している場合の治療

ツベルクリン反応検査やIGRAで結核の感染が明らかになったとしても、発症しているかいないかで治療は異なってきます。

 

「発症」とは、結核菌が体内で活動して、咳や痰、発熱などからだに異常を引き起こしている状態です。胸のレントゲンを撮影して、肺に異常がないかを調べたり、痰を採取して結核菌が混じっていないかどうかの検査で明らかにします。
咳や痰などに結核菌が含まれている(排菌している)状態となると、他の人に結核をうつす可能性があります。この場合は、結核専門の医療機関に入院する必要があります。

 

結核を「発症」している場合、標準治療では、3種類もしくは4種類の抗結核薬を最低でも6か月以上、毎日服用します。状況によっては、服用期間が延びることもあります。
退院後も、薬は服用する必要があります。
標準治療で使う薬のなかには、肝機能障害が出現しやすいなど、高齢者や肝機能が低下している方には使いにくい薬があります。副作用を避けるため、高齢者や肝機能が低下している方には、薬の種類を変えるなどして対応することもあります。

 

「感染」だけなら、選択肢は「服薬」と「観察」

2一方、結核菌に「感染」していても、「発症」していない方もいます。
1回目で「潜在性結核感染症」と紹介したような方です。
結核菌に感染はしていますが、周囲の人に結核をうつす危険はないため、隔離や入院の必要性はありません。
ただし、持病が悪化したり、からだが弱ってきたときに、結核を発病する可能性があります。発病のリスクを抑えるために、服薬による治療を行うこともあります。ただし、発病リスクをゼロにできるわけではありません。

 

治療はせず、発病したらすぐに発見できるよう定期的に検査を行いながら、観察していくという選択肢もあります。
潜在性結核感染症の場合、原則として1種類の抗結核薬を最低6か月服用します。高齢者では薬による副作用のリスクも高くなるため、発病のリスクも考えながら、服薬か、経過観察かを医師とも相談しながら考えていきましょう。

 

●感染者のなかで発病リスクが高い人
最近の感染(感染から1~2年以内)
HIV感染
じん肺
低体重
糖尿病
慢性腎不全による血液透析
胃切除など大きな手術
心不全
頭頸部がん
ステロイドなど免疫抑制効果のある薬剤、生物製剤の使用
(参考:潜在性結核感染症治療指針)

 

毎日の服用を医療者が確認する「DOTS」

結核の薬は、原則最低でも6か月間、毎日服用しなければなりません。
薬を勝手に中断したり、飲んだり飲まなかったりというように不規則に服用すると、効果が出ないばかりでなく、抗結核薬が効かない菌、つまり耐性菌を作ってしまう原因になります。
ですから、確実に、毎日服用する必要があります。

 

一人暮らしで認知機能が落ちていて毎日の服薬ができない方や、ご家族がいても薬の管理が難しいような場合、DOTS(ドッツ)という方法があります。
DOTSとは、直接服薬確認療法のことです。抗結核薬のような服薬の管理を厳格に行う必要のある薬の場合、薬の飲み忘れなどをしないようにするため、医療従事者が患者さんの服薬を直接確認する方法です。
DOTSの実施状況は、まだ地域によってばらつきはありますが、厚生労働省では、結核対策特別推進事業等により各自治体におけるDOTS推進を支援しています。
保健所の保健師が自宅を訪問するなどして対応している地域もありますし、医療機関や薬局に患者さんが出向き、その場で薬を飲んで確認するという方法もあります。
目の前での確認が難しくても、電話で服薬を確認したり、1週間ごとに空になった薬のシートを確認するなどの方法もあります。
毎日の服用に不安を感じたときは、医師をはじめ、看護師、薬剤師、保健所など、周りの医療従事者に相談してみましょう。

 

結核の相談は最寄りの保健所に

相談者のお母様のように、身近な人に結核の感染が分かった場合、周囲への感染も心配です。
家庭内では、家族やヘルパー、通っているデイサービスなど、日常的に患者さんに接していた人たち。老人ホームなどの入所者では、職員をはじめ、他の入所者も結核に感染していないかの検査が必要となります。

 

結核と診断されると、医師が保健所に「結核発生届」を提出します。それをもとに、本人、周囲の方への支援が開始されます。安心して療養するための相談や、医療費助成の申請相談、家族や周囲の人への健診や相談も保健所が行っています。
結核の療養や周りへの影響について心配なことは、最寄りの保健所に相談しましょう。

 

次回は、結核と間違えやすい「非結核抗酸菌症」について取り上げます。

 

 

プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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