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慢性腎不全のお看取り期に必要なこと「腎機能の悪化を指摘されたら」5

2017年3月24日

これまで説明してきたように、慢性腎不全とは、老廃物をからだから排出する機能、つまり出口が壊れる病気です。そのため、食事の管理や水分の摂取量に気を使わなければなりません。
ですが、好きなものをお腹いっぱい食べたい、のどが乾いたらお茶やお水を満足するまで飲みたいという欲求は、そう簡単に消えるものではありません。
欲求そのままに食べたり飲んだりしてしまうと、老廃物や水分が排泄できず、むくみや呼吸困難、心不全などを起こしてしまいます。
また、看取り期においては、安らかな旅立ちを妨げる要因ともなります。
今回は、慢性腎不全患者さんの看取り期について考えます。
<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄 / 文:星野美穂>

 

 

【質問 腎機能の低下を指摘された父。本人は全く生活を改める気はないが……~80歳・要支援2】

父が初期の認知症という診断を受け、同時に腎機能の低下も指摘されました。主治医からは、「生活習慣をあらためないと、透析になるかもしれませんよ」と言われています。
(相談者:娘)

 

最近物忘れが多くなってきた父が、「初期の認知症」との診断を受けました。そのとき受けた検査で、腎機能の低下も指摘されました。父は、昔からお酒が好きで、…(続きはこちら)

 

 

【 上條先生の回答 】前回からの続き  *前回(4回目)3回目2回目1回目はこちら

慢性腎不全では、お看取り期こそ水分制限が重要になる

1慢性腎不全の患者さんが、できるだけ長く調子の良い状態を保って暮らすためには、食事や水分の管理が大切です。
ただ、お看取り期が近づいたときに、ご家族が、最期くらい好きなものを好きなだけ食べさせてあげたいというお気持ちを持つことも理解できます。
しかし、腎不全の患者さんにおいては、お看取りが近づいたときこそ、苦しまず楽に旅立つために食事制限、特に水分の制限が重要になるのです。

 

相談者のお父様ではずっと先の話だと思いますが、腎不全患者さんが看取り期に入ったとき、何が起こるかについては、知っておいていただきたいと思います。

 

水分制限が重要な理由

私が訪問診療をしている老人ホームに、糖尿病でインスリン注射を使用している、慢性腎不全のIさんという患者さんがいらっしゃいました。
認知症も患っていて、目の前に食べるものがあれば、食べたいだけ食べてしまう方でした。
この老人ホームは、利用者がやりたいことを制限しない方針です。それに、ご家族も、食べたいという欲求があるなら、好きなだけ食べさせてあげたいという思いを持っていらっしゃいました。

 

ご家族と何度も話し合いを重ねた結果、Iさんの腎不全が進行しても透析は行わずに、老人ホームで看取ることを希望されました。
しかし、慢性腎不全があり、糖尿病も持っているとなると、食事・水分量の制限は必須です。このまま本人が食べたいように食べていると、近い将来、心不全などを引き起こすことが予想されます。

 

自由に食べさせたい家族、しかし…

これまでの連載のなかで何度か触れているように、お看取りの際には体内に余分な水分がないほうが楽に旅立つことができます。
体内に水があふれている(溢水:いっすい)状態では、からだがむくみ、肺に水がたまり、呼吸も非常に苦しくなります。まるで、おぼれているようになるのです。

 

老人ホームのスタッフやIさんのご家族には、「このまま自由に食べさせていたら、いずれは尿が出なくなり、呼吸が苦しくなって苦しむことになる」と説明しました。
しかし、食事・水分摂取制限は、「やりたいことを制限しない」という施設の方針に反します。そこまでの医療管理を、介護施設で行うのかという葛藤もありました。
ご家族も、食べることが何より好きなIさんに対して食事制限することは「可哀想だ」と、制限することに消極的でした。

 

そうなると、医師としても、どこまで介入していいか迷います。これまで、溢水で苦しんで亡くなっていった人をみているからこそ、楽に旅立てるように少しずつ準備をしたいと思っているのです。
けれど、そうした苦しみを見ていないご家族は、今目の前にいるIさんの欲求を叶えてあげたいという思いがあります。

 

少しずつの工夫で、食事・水分量を減らす

2互いの思いをすり合わせるべく、これからどうしていくかを、ご家族、施設のスタッフ、医師である私の三者で話し合いました。そして、厳しくなりすぎない程度に制限をしていこうという方向で話が決まりました。
たとえば、これまでは食事時にお茶を湯呑一杯ついでいたところを、6分目にする。ご飯を一膳よそっていたものを、少なめに、でもこんもりと盛り付ける。
そうした少しずつの工夫を重ねて、食事や水分の摂取量を減らし、からだの排泄機能と見合った食事・水分量に調節していきました。

 

Iさんは、やがてからだの衰えとともに、自然に食事の欲求が少なくなりました。
亡くなる1週間ほどまえから、食事も水分もほとんど摂らなくなり、眠るように旅立たれました。

 

腎不全のお看取り期には、「枯れた」状態を作ることが大切

たくさんの方を看取ってきた経験から、「枯れた」状態、つまり体内に余分な水分がないほうが楽に旅立てるのを見てきました。
ただし、腎不全という病気は、水分がからだに溜まってしまいます。なかなか「枯れる」ことができません。
だからこそ、最期の時間を前に、余計な水分をからだに取り込まない工夫が必要です。

 

飲みたい、食べたいという欲求がある患者さんを前に、ご家族には辛いことだと思います。ですが、これから先の時間を考えて、どう対応していくべきかを考えていっていただきたいと思います。

 

 

プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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