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高齢者の人工透析導入に悩んだら~「腎機能の悪化を指摘されたら」4

2017年3月17日

腎機能がいよいよ低下し、末期腎不全になると、自分の腎臓では血液の老廃物などを除去できなくなります。
腎臓で血液の浄化ができなくなると、老廃物を尿として排出できなくなるため、体内に老廃物が蓄積します。そのため、からだの怠さ、食欲低下、吐き気・嘔吐、頭痛などの尿毒症の症状が現れてきます。水分が排出できないため強いむくみが現れたり、心臓に負担がかかり、息切れや呼吸苦などの症状も現れます。
そうなると、命をつなぐために、人工透析の導入を考える必要が出てきます。
<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄 / 文:星野美穂>

 

 

【質問 腎機能の低下を指摘された父。本人は全く生活を改める気はないが……~80歳・要支援2】

父が初期の認知症という診断を受け、同時に腎機能の低下も指摘されました。主治医からは、「生活習慣をあらためないと、透析になるかもしれませんよ」と言われています。
(相談者:娘)

 

最近物忘れが多くなってきた父が、「初期の認知症」との診断を受けました。そのとき受けた検査で、腎機能の低下も指摘されました。父は、昔からお酒が好きで、…(続きはこちら)

 

 

【 上條先生の回答 】前回からの続き  *前回(3回目)2回目1回目はこちら

腎臓の代わりに血液を浄化する「人工透析」

1人工透析とは、自分の腎臓の代わりに透析器や腹膜を使って人工的に血液を浄化する方法です。
人工透析には、「血液透析」と、「腹膜透析」があります。

 

「血液透析」とは、腕の血管に針を刺して血液を体外に取り出し、ダイアライザーと呼ばれる透析器に血液を通して老廃物を除去した後、血液を体内に戻す方法です。
血液透析は、その設備がある医療機関で行います。個人差はありますが、通常週3回通院し、1回につき4~5時間程度の時間がかかります。

 

「腹膜透析」は、お腹のなかに透析液を入れ、腹膜という膜を通過させることで血液を浄化する方法です。お腹にカテーテルと呼ばれる管を入れ、そこから透析液を出し入れします。
「腹膜透析」は自宅で透析することができますが、1日4回、透析液を交換しなければなりません。夜、寝ている間に機械を使って透析液の交換を行うシステムもありますが、どちらにしても、感染症を起こさないための管理などが必要となります。

 

「血液透析」も「腹膜透析」もそれぞれ、メリット、デメリットがあります。どちらにするかは、病状や生活スタイルによって異なります。医師とよく相談の上、しっかり理解してから選択していただきたいと思います。

 

人工透析が導入できないこともある

2人工透析の目標は、ご本人の生活および生命の質を向上させ維持することにあります。
腎臓の機能だけが問題の場合、人工透析を行うことで、それまで通り仕事を続けたり、日常生活を送ることができます。ただし、食事や日常生活での管理は必要です。

 

ただ、高齢で腎不全のある方、そして腎臓以外、たとえば心臓の状態が良くない方の場合、人工透析の導入は慎重に考える必要があります。人工透析を導入することによって、からだや生活への負担が大きくなることもあるからです。
1つが、血圧への影響です。人工透析をすると血圧が大きく変動します。そのため心臓に負担をかけやすくなります。

 

定期的な通院も必要となるため、それができる体力と手段があるかどうか、家族が通院をサポートできる状況であるかどうかも、課題となります。
特に、寝たきりの高齢者の場合、人工透析を導入することが、本当にその方のためになるのかどうか、医療者も家族も悩むことが少なくありません。

 

終末期医療で、人工透析の導入や継続に悩んだら

人工透析の導入・継続を考える指針の1つに、2014年に日本透析医学会が発表した「維持血液透析の開始と継続に関する意思決定 プロセスについての提言」があります。
これには、例えば、「生命の維持が極めて困難な状態にあって、透析をすることがかえって生命に危険な状態」、「透析を実施するたびに、器具によって抑制したり、薬物を使って鎮静をしなければ安全に透析ができない状態」などの場合、透析は見合わせることを検討すると示されています。

 

また、患者さんの意思も重要視されていて、患者さん自身が「状態が極めて悪くなったら透析を続けることを望まない」と意思表示していた場合、もしくは家族が患者さんの意思を推測できる場合も、透析の見合わせを検討するとされています。
人工透析を導入するか、もしくは継続するかを悩んだ場合、この提言に書かれている状態であるかどうかを確認することも、選択の際の参考となるでしょう。
興味がある方は、ぜひ一読ください(日本透析医学会 ガイドライン)。

 

本人の人工透析拒否、でも家族はあきらめないで

3一方、患者さん自身が透析を拒否する場合もあります。
慢性腎不全が進行し、いよいよ透析が必要となってきたと告げると、「知り合いの透析患者の様子を見ていて、あんな大変なことはやりたくない」「1日おきに何時間も病院でつながれるのは嫌だ」など、理由はそれぞれですが、透析を拒否する患者さんもいらっしゃいます。

 

身体的に透析に耐えられないという患者さんなら、透析を見合わせ、呼吸苦などにはモルヒネなどを使って苦しみを軽減するという処置も取ることができます。
しかし、身体的問題もなく、透析をすればあと10年、20年、生きることが出来るのに、ただ「透析はしたくない」という人にどう対応すべきか、医療者としても非常に悩ましい問題です。
もちろん、単なる拒否の患者さんにも緩和ケアという選択肢はありますが、「苦しまない方法がある」ことを伝えることで、「透析をして生きる権利」を放棄させることにつながらないか、悩ましいところです。

 

なかには、昔の透析医療を見聞きしたままの知識で透析を拒否する方もいらっしゃいます。そうした方には、大きく改善された現在の透析医療について詳しく説明します。

 

また、腎不全で透析をしないとどうなるかを理解していない方もいらっしゃいます。透析をせず、からだに水が溜まった状態は苦しいものです。水のなかでおぼれているのと同じで、息を吸っても酸素がからだに入って来ないのです。
その状態を経験して、透析を受けてみると、「思ったより大変じゃなかった、からだが楽になった」と透析を受け入れてくださる方もいます。

 

しかし、どんなに辛い状態でも、徹底的に拒否する方もいます。
それでも、あきらめずアプローチを続け、患者さんが透析をすることに前向きになったら、すかさず手を差し伸べる。医師としてはそうした姿勢が大切なのだと考えています。

 

満足する医療を受けるためには、本人の意思確認が重要

終末期医療に関しては全般的に同じことがいえますが、人工透析をするかしないかでもめないために、ご本人は前もってご自分の意思を主治医に伝えておくことが重要です。CKDの患者さんは、将来的に人工透析を導入することになる可能性が高いですから、これは非常に大切なことです。

 

私の場合は、患者さんの意思を確認する際に人工透析についてわかりやすく説明し、導入するメリット、デメリット、導入しなかった場合のメリット、デメリットを時間をかけて話していきます。
ご本人やご家族だけで判断するのではなく、主治医の力を借りるのが良いでしょう。

 

相談者のお父様の場合、初期の認知症ということで、今後意思表示が難しくなってくることも考えられます。判断力のある今のうちに、しっかりと話し合い、ご本人の意思を確認しておきましょう。
そして、本人の意思を書面に残しておくことが大事です。ただ、書面は何度でも更新できます。
時間が経てば、意思が変わっていくのはありうること。
何度も確認して、最新のご本人の意思を書面に残しておくことが、ご本人もご家族も、納得のいく満足する医療を受けるためには大切なことだと考えています。

 

次回は、腎不全患者さんのお看取りについて考えます。

 

 

プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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