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高齢者に多い、薬が原因のせん妄~「せん妄はなぜ起きる?」3

2016年11月25日

高齢者がせん妄を起こす原因は本当にさまざまです。その中に、服用している薬が原因になるものがあります。この「薬剤性せん妄」は、素人判断が特に危険なものです。せん妄らしい症状があったら、まずは医師に相談し、薬の服用などについても指示にしっかり従うことが大切です。
<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄 / 文:椎崎亮子>

 

 

【質問 施設に宿泊した母が、夜は錯乱状態に ~83歳・要介護2】

母は、施設に宿泊したときにかぎって、「幽霊がいる」などと騒ぐそうです。これは認知症の症状なのでしょうか?
(相談者:娘)

 

母は半年ほど前に認知症と診断されました。家族とともに住み慣れた家で暮らしていますが、私を含め家族全員が仕事を持っているため、ひとりになる時間も長く心配でした。そこで、近くの小規模多機能型居宅介護の施設で、通所・訪問サービスを利用し、私と夫の出張が重なるときなどに宿泊の利用も始めました。ところが、施設で宿泊した翌日…(続きはこちら)

 

 

【 上條先生の回答 】前回からの続き  *前回(2回目)1回目はこちら

薬が原因でせん妄が起きるとき

01高齢者では、ほとんどの方がなんらかの疾患をもっていて、内服薬(飲み薬)や外用薬(塗り薬、貼り薬、点耳薬、点眼薬など)を処方されています。高齢者は若い人と違い、どんな薬の治療を行うときにも注意が必要です。腎臓や肝臓の機能が加齢により衰えていますので、薬の成分の体内での濃度が必要以上に高まってしまったり、それによって効き目が強まったり、長引いたりすることがあります。そのため多くの薬で、添付文書(*)には「高齢者に投与する際は注意すること」などの文章が入っています。

 

また高齢者では特に、複数の診療科に並行して通っていて、薬が何種類も出ていることもあります。かかっている診療科が互いに薬の情報を共有できていればよいのですが、あちらの病院、こちらのクリニック、とばらばらにかかってそれぞれに薬をもらっていることもあります。そうなると、効き目の同じような薬を重複して処方されていることもよくあります。

 

5種類以上の薬を併用していることを「多剤併用」といい、薬の相互作用に特別に注意が必要です。

 

このような状況の高齢者がせん妄を起こした時、それは服用している薬が原因になっていることも大いに考えられるのです。ひとつの薬の副作用としてのせん妄であることもあれば、複数の薬の相互作用の結果、せん妄という形で悪影響が出ている場合もあります。

 

*添付文書=薬事法に基づき、薬の効果効能、使用上の注意や副作用などの重要な情報を記した書類で公文書である。どの薬品にもメーカーが作成した添付文書が付され、医師・薬剤師は添付文書の情報に基づいて患者に処方・販売を行っている

 

せん妄の原因となりやすい薬は?

高齢者に処方されている薬で、せん妄の症状を引き起こす原因となりやすい薬は、実に多岐にわたります。
よくあるものでは、パーキンソン病の治療薬が知られています。薬の成分であるドパミンという物質が、脳内のセロトニン(睡眠のリズムや認知機能をつかさどる物質)の代謝をかき乱してしまい、幻覚などが起こりやすくなります。
また、脳内のアセチルコリンという神経伝達物質(レム睡眠や、記憶・学習などの機能をつかさどる物質)を抑える薬(抗コリン薬)も、せん妄を引き起こしやすいことが知られています。

 

睡眠薬や抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬などの、精神神経系に直接作用する薬は全般的にせん妄と関係しやすい薬です。また、手術で使われる麻酔薬やがんの疼痛緩和に使われるオピオイド(麻薬)系の鎮痛薬もせん妄の原因としてよく知られています。
胃潰瘍の薬であるH2ブロッカー、抗生物質、副腎皮質ステロイドなども、ときとしてせん妄の原因になります。

 

服用している薬を、医師の指示の下減らす

02せん妄らしい症状がある場合、医師は患者の全身状態を調べ、「もしかしたらこれが原因かな」と思うものを順に取り除いていきます。

 

特に薬剤性のせん妄が疑われる場合は、薬の服用歴や体調の変化などを、血液検査などもして注意深く探る必要があります。ご本人が服用している薬を整理して、重複している薬がないかなども調べます。
また、薬だけが原因ではなく、体調の変化と薬の作用とが関係しあって、せん妄を起こしている場合もあります。

 

原因とみられる薬が特定された場合、医師は一時的にその薬を減らしたり、服用を中止したりして、その間のご本人の様子をよく観察するよう、訪問看護師やご家族などの介護者に指示を出します。本来、病気の治療を行うための薬ですが、せん妄の副作用は、時に病気の症状そのものよりも、ご本人にも周囲の人々にとっても負担の重いものになりかねないからです。

 

薬の服用を自己判断で中止しないで!

薬は、医師・薬剤師などの専門家でなければその作用・副作用について判断することができないものです。せん妄の症状が現れても、勝手に薬の服用を中断したりしないようにしてください。必ず、医師に相談の上、その指示に従ってください。

 

薬を急に中止することによって、急激に体調が悪化したり、また薬の離脱症状(体内の薬の濃度が急激に下がることによっておこる症状)が出たりして、よりせん妄が悪化することもあるからです。

 

次回は、今回に続いて、服用している薬の作用によるせん妄についてです。お薬手帳の活用法もお伝えします。

 

●「せん妄はなぜ起きる?」の記事をすべて見る
●「在宅医 ドクター上條に聞く」のコーナーをすべて見る
●「高齢者のかかりやすい病気・疾患」の一覧を見る

 

 

プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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