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高齢者にせん妄が起きたら、どう治療する?「せん妄はなぜ起きる?」2

2016年11月18日

前回は、高齢者、特に身体的な疾患や認知症などを持っている方では、せん妄と呼ばれる意識障害がよく起きることをご紹介しました。今回は、もう少し詳しく、医療と介護の面からせん妄とはどのようなものか、どのように対応するのかを整理していきます。
<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄 / 文:椎崎亮子>

 

 

【質問 施設に宿泊した母が、夜は錯乱状態に ~83歳・要介護2】

母は、施設に宿泊したときにかぎって、「幽霊がいる」などと騒ぐそうです。これは認知症の症状なのでしょうか?
(相談者:娘)

 

母は半年ほど前に認知症と診断されました。家族とともに住み慣れた家で暮らしていますが、私を含め家族全員が仕事を持っているため、ひとりになる時間も長く心配でした。そこで、近くの小規模多機能型居宅介護の施設で、通所・訪問サービスを利用し、私と夫の出張が重なるときなどに宿泊の利用も始めました。ところが、施設で宿泊した翌日…(続きはこちら)

 

 

【 上條先生の回答 】前回からの続き  *前回(1回目)はこちら

せん妄ではどのような症状が出る?

1ご相談者は、お母さまの施設での行動(幻覚らしきものを見て騒いだこと)を介護職員から聞いて「認知症が進んだのでは」と心配されています。

 

せん妄を起こすと、見当識障害(時間、場所、人などがわからなくなる)や記憶障害などの、認知症の中核症状と同じ症状が現れます。また認知症の周辺症状と同じく、徘徊(何らかの理由で歩き回ったり外出しようとしたりすること)が現れたり、人によっては怒りだしたり他人に攻撃的になったりすることもあります。ご相談者のお母さまのように幻覚を見る方も少なくありません。
不眠(寝付けない、眠りが浅くたびたび目覚めるなど)が現れたり、逆に傾眠(うとうとと眠り続けたり、起こしてもはっきり目覚めない)状態になることもあります。

 

せん妄と認知症の違いは?

これらの症状はすべて、認知症でも起きるものです。特に幻覚は、レビー小体型認知症では特徴的な症状です。アルツハイマー病でも、症状が重くなると幻覚が現れることがあります。
このようにせん妄と認知症では症状が似ているため、実際はせん妄を起こしている場合でも、「認知症を発症した」「認知症が進行した」と誤認されることがあります。
では、せん妄と認知症の違いとはなんでしょうか。

 

意識がはっきりしているか
認知症による症状の場合は意識がはっきりしていますが、せん妄による症状では意識障害が見られます(詳しくは、前回記事の「意識障害の程度を判定するJCS(3-3-9度方式)」を参照)。

 

元の状態に戻るか
見当識障害や記憶障害は、認知症では長期にわたって徐々に進行し、元に戻ることはありませんが、せん妄の場合は一時的で元に戻ります。
症状の出かたは徐々にか突然にか
認知症では、さまざまな症状が徐々に、長期にわたって出てきますが、せん妄では突然出現します。
一日のなかで大きな変化があるか
せん妄による症状の場合は、一日のうちでも様子が大きく変わる傾向があります。認知症の場合は、ゆるやかな変化はあっても、一日のうちで大きく変動することは少ないです。

 

もともと認知症のある方では、両者の見極めが困難な場合もあります。医師が検査を行って初めてわかる場合もあります。

 

かかりつけ医に報告・相談しよう

ご高齢の方の行動や精神状態が突然「いつもとなんだか違う、変だ」と感じたら、まずはかかりつけ医に相談するのが何より大切です。前回お伝えしたように、せん妄を起こしている場合、ご本人の体調になんらかの重大な変化がおきているサインであることもあるからです。

 

ご本人の普段の健康状態や人柄、様子をよく知っている医師であれば、変化にも敏感に気づいてもらえるでしょう。

 

かかりつけ医に報告するポイント

このとき、かかりつけ医に報告したいポイントがいくつかあります。

 

(1)その時のご本人の体調。便秘や下痢、発熱などはなかったか。よく眠れていたかどうか、食欲があったかどうかなど。わかればバイタルサイン(体温、脈拍数、血圧)も。
(2)どこで起きたか。住み慣れた家か、どこかほかの場所か。ご自身の居室かどうか。
(3)いつ起きたか。朝か夜か、時刻、持続した時間。
(4)初めて起きた変化か、以前もあったか。
(5)その日(あるいはその数日前ぐらいから)何か変わったことがなかったか。新しい施設に行った、旅行をした、来客があった、家族が不在だった、訪問介護の職員が変わったなど。
(6)新しい薬(処方薬)が追加になっていないか、あるいは市販薬を飲んでいないか。
(7)ご家族が見て「いつもと違う、おかしい」と感じたポイント(気づいたことはなんでも)。

 

これらのことを、メモ書きにして持参するとよいと思います。またご相談者のお母さまのように、ご家族の前ではなく、施設等で様子が変わった場合も同様です。介護職員と連携し、その時のお母さまの様子をできるだけ詳しく記録してもらい、それを持参してください。施設とかかりつけ医が連携している場合は、直接報告してもらうのもよいでしょう。

 

せん妄の治療

2医師は、患者の意識のレベルを確認し、必要に応じて身体的な検査を行います。原因が特定されたら、それを取り除く治療をまず行います。感染症があれば抗生物質による治療を行い、電解質異常(血液中のミネラルのバランスが崩れること)があれば輸液によって電解質のバランスを正常に戻します。脳血管疾患その他の重大な病気が疑われる場合は、より高度な治療の手配をすることになるでしょう。

 

また、高齢者では多かれ少なかれお薬を服用していることが多いので、その中にせん妄の原因となっているものがないかを確認します。お薬については、改めて次回でまとめます。

 

心身の不快を取り除き、できるだけ快適に、穏やかに

身体的な疾患の治療で、ご本人にとって不快な症状が取り除かれると、せん妄による諸症状も消失していきます。その後は、原因となった疾患が再び起こらないように、生活上の見直しを行います。便秘や下痢、脱水から来る電解質異常、睡眠障害などは、食生活や水分摂取、運動習慣、休息の環境を見直すことで改善できることも多いからです。

 

よく眠れるように、隣室のテレビの音に配慮したり、部屋の明かりを調節したりすることは、介護される家族、施設などでできる工夫です。補聴器やメガネなどの、ご本人の感覚を補うものを適切に利用できるようにすることも大事なことです。ショートステイ利用時や施設に入所した当初は特に、環境の変化になじめるように、なじみの手回り品や、時計やカレンダーといった日時を確認できるものを居室に置くことも効果があります。

 

「せん妄を抑える薬物治療」は最後に行われる

せん妄そのものを抑えるための、薬の治療ももちろんあります。薬の治療は主に、せん妄の症状によってご本人の消耗が激しかったり、興奮のために危険な行為を行ったりするなど、ご本人にも介護者にも負担が大きいと判断される場合に行われます。
ハロペリドール、リスペリドンなどの抗精神薬や、睡眠薬によって興奮を抑える治療が行われますが、副作用もあるため、非常に慎重に行われるものです。

 

次回は、服用している薬の作用によるせん妄についてまとめます。

 

●「せん妄はなぜ起きる?」の記事をすべて見る
●「在宅医 ドクター上條に聞く」のコーナーをすべて見る
●「高齢者のかかりやすい病気・疾患」の一覧を見る

 

 

プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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