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認知症の薬を使うのはどんなとき?薬の知識「認知症の症状は薬で治まる?」3

2016年7月1日

今回のシリーズ、「認知症の症状は薬で治まる?」の第2回では、認知症の方の困った行動や症状に対して、薬を使うことよりも、まず患者さんへの関わり方や接し方など、環境を整えることが大事であるというお話しをしました。
ただし、どうしても薬を使わなければならない場合もあります。
薬は、使ってはいけないというものではなく、症状をコントロールするための手助けの1つとして上手に利用するものだと考えています。
そのためには、薬について、ある程度の知識を持っておくことが大切です。
BPSD(認知症による行動・心理の症状)に対して使う薬についてまとめました。
<回答:上條内科クリニック 院長 上條武雄 / 構成・文:星野美穂>

 

 

【質問 祖母が興奮すると大声で大騒ぎします。薬でなんとか抑えられませんか? ~78歳・要介護3 】

「お金を盗んだろう」と孫を疑い、大声で叫び続ける認知症の祖母。この症状は薬で抑えられるのでしょうか。
(相談者:孫娘)

 

認知症の祖母を5年間介護しています。母は早くに亡くなり、私と、近くに住む妹とで祖母をみています。先日、祖母が「タンスにしまっておいた100万円がない」と言い出しました。そんなお金は今まで見たこともなかったので、「そんなお金、なかったよ」というと…(続きはこちら)

 

 

【 上條先生の回答 】前回からの続き  *前回(2回目)1回目はこちら

どんなときに、薬を使うべき?

1厚生労働省が医師向けに作成した、「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」(以下、BPSDガイドライン)でも、「BPSDの対応の第一選択は非薬物的介入(薬を使わない対応)が原則である」と書かれています。
では、薬を使うのは、どんなときでしょう。

 

問題となっている行動や症状の原因について、家族をはじめ、かかりつけ医やケアマネジャー、訪問看護師、ヘルパーなど、患者さんに関わる人々が問題点を話し合い、接し方や環境を変えても症状が治まらないときは、薬を使うことを考えてもいいでしょう。

 

そして、適切に薬を使うためには、医師に、「今どんなことに困っているか」を率直に伝えていただきたいと思います。医師が患者さんやご家族に会うのは、基本的には診療しているときだけです。生活全体を見渡せているわけではありません。そのため、本当は何に困っているのかが的確につかめないことがあるからです。

 

薬を使う目的を、明確にすることが大事

たとえば、以前、家族からの「夜寝なくて困っている」という訴えに対して、睡眠薬を処方したことがありました。しばらくすると、ご家族が困った顔をして、「今度は昼間の徘徊が増えてしまった」と相談してきました。
よくよく話を聞いてみると、本当に困っていたことは、夜寝ないことよりも、興奮しやすく、すぐに怒り出して止まらないということだとわかりました。
睡眠薬を止め、興奮を抑える薬を出したことで、患者さんがひどく興奮することも少なくなり、家族とも平穏に暮らせるようになりました。

 

適切に薬を使うためには、「何に困っているか」「薬を使うことで、どんな効果を期待しているのか」をきちんとつかむことが大切なのです。
そのうえで、患者さんの持病や生活状況なども考慮して、一番適した薬を選んで、副作用が出ていないかも確認しつつ、慎重に使用します。

 

BPSDに対して使われる薬

BPSDガイドラインを参考に、症状別にどんな薬を使うのかをまとめました。

 

【幻覚、妄想、攻撃性、焦燥】
認知症治療薬である、メマンチン(メマリー)、コリン分解酵素阻害薬(アリセプト・レミニール・イクセロン/リバスタッチ)を使用した上で改善しない場合、下記の抗精神病薬の使用を検討します。

 

これらの薬は、興奮や攻撃性を鎮める作用を持ちます。中等度から重度のBPSDが対象となります。
少ない量から使用を始め、症状を見ながら少しずつ量を増やしていきます。
これらの薬を服用することで、転倒やふらつき、また必要以上に薬が効き過ぎて眠気が強く出る(過鎮静)ことがあります。薬を飲みはじめて、立てなくなった、歩けなくなった、食べ物が飲み込みにくい、しゃべらなくなった、無表情になった、からだが小刻みに震えるなどの症状が現れたら、医師や薬剤師に相談してください。

 

●焦燥、興奮、攻撃性、または精神病症状に使われる薬

薬物名(一般名) 特徴・注意点
リスペリドン
高血糖あるいは糖尿病を合併している場合は第1選択。レビー小体型認知症(DLB)ではパーキンソン症状の悪化を示しやすいため注意
ペロスピロン 抗不安薬、眠前薬として使用可。
高血糖/糖尿病合併例では慎重投与
クエチアピン パーキンソン症状がある場合とDLBでは第1選択、眠前薬として使用可。高血糖/糖尿病合併例では禁忌
オランザピン 眠前薬としては用いない。高血糖/糖尿病合併例では禁忌
アリピプラゾール 眠前薬としては用いない。高血糖/糖尿病合併例では慎重投与

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【抑うつ症状、うつ病】
憂うつになる、気分が沈み込む、虚しさに襲われるといった抑うつ症状、うつ病に使用される薬です。
コリン分解酵素阻害薬(アリセプト・レミニール・イクセロン/リバスタッチ)を使用した上で、改善しない場合は、これらの抗うつ薬の使用を検討します。抗うつ薬を使用すると転倒しやすくなる可能性があるため、注意が必要です。また、それぞれ異なる副作用が出る可能性があるため、予め医師や薬剤師に注意点を聞いておきましょう。

 

●抗うつ薬

薬物名(一般名) 想定される使用
フルボキサミン/パロキセチン/セルトラリン/エスシタロプラム
うつ症状、FTD の脱抑制*、情動行動、食行動異常
ミルナシプラン うつ症状
デュロキセチン うつ症状、舌などの痛みを訴える心気症状に効果がある可能性あり
ミルタザピン うつ症状、抗不安作用、睡眠障害の改善、食欲改善効果
アモキサピン うつ症状(SSRI無効時)
ミアンセリン せん妄、不眠
トラゾドン 焦燥、不眠

 

 

 

 

 

 

 

 

* 前頭側頭型認知症(FTD)において、状況に対する反応としての衝動や感情を抑えることが不能になった状態のこと。

 

【不安、緊張、易刺激性】
2不安や緊張を和らげる薬です。
抗不安薬は、高齢者では副作用が出やすく、過鎮静(薬が効き過ぎてボーっとなる)、運動失調(からだの平衡が取れなくなりふらつく)、転倒、認知機能の低下リスクが高まるため、原則使用すべきでないとされています。
ただ、実際には、認知症のBPSDに対して抗不安薬は広く使用されています。一方で、抗不安薬のBPSDに対する効果は検証されておらず、客観的な評価は得られていません。
BPSDガイドラインでは、使用する場合は、ロラゼパム(短時間作用型)やオキサゼパム(短時間作用型)が望ましいとしています。これらの薬は、高齢者でも体内での薬の代謝や排泄が変わらないため、薬が効き過ぎたり、副作用が出ることが少ないと考えられています。

 

【入眠障害、中途・早朝覚醒】
状態に応じて、睡眠導入剤薬、抗精神病薬、抗うつ薬の使用を検討します。
睡眠導入剤を使用する場合は、不眠のタイプによって使い分けます。
いわゆる「寝つきが悪い」タイプでは、服用後すぐに効果が現れて作用時間が短い「超短時間作用型」を使います。
夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めてしまい眠れなくなるようなタイプでは、「長時間作用型」の睡眠導入薬を選択します。

 

●睡眠導入薬

薬物名 想定される使用 特徴・注意点
ゾルピデム
入眠障害 超短時間作用型
ゾピクロン 入眠障害 超短時間作用型
エスゾピクロン 入眠障害 超短時間作用型
クアゼパム 中途覚醒・早朝覚醒 長時間型
ラメルテオン 入眠障害 フルボキサミンとの併用は禁忌
スポレキサント* 入眠障害・中途覚醒 新しいメカニズムを持つ睡眠導入薬

 

 

 

 

 

 

 

 

*スポレキサントは、次回改訂より記載される予定です。

 

次回は、自宅や施設でできる、薬を使わないBPSDへの対処法をご紹介します。

 

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プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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