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家族を疑い、興奮する認知症の祖母に困惑「認知症の症状は薬で治まる?」1

2016年6月17日

怒りっぽくなる、暴れる、徘徊する、夜寝ない、など、認知症になるとそれまでと精神状態や行動が変わるという話はよく聞きます。こうした症状に対して、薬で対応するという手段ももちろんあります。
ただ、上條先生は、「薬で対応する前に、認知症の方への関わりや接し方を考えてみて欲しい」と呼びかけます。認知症の患者さんが、いわゆる「困った行動」を取るのには理由があり、その理由を取り除けば困った行動は治まるからです。
今回のシリーズでは、認知症の症状に対しての対応を考えていきたいと思います。
家族だけでなく、地域としての関わりも交えて、具体的に何をしていったらいいかを考えて行きましょう。
<回答:上條内科クリニック 院長 上條武雄 / 構成・文:星野美穂>

 

 

【質問 祖母が興奮すると大声で大騒ぎします。薬でなんとか抑えられませんか? ~78歳・要介護3】

「お金を盗んだろう」と孫を疑い、大声で叫び続ける認知症の祖母。この症状は薬で抑えられるのでしょうか。
(相談者:孫娘)

 

image001認知症の祖母を5年間介護しています。
母は早くに亡くなり、私と、近くに住む妹とで祖母をみています。
先日、祖母が「タンスにしまっておいた100万円がない」と言い出しました。そんなお金は今まで見たこともなかったので、「そんなお金、なかったよ」というと、「いや、あった。誰かが盗ったんだ」と、家じゅうひっくり返して探し始めました。

 

それから、たびたび、「お金がない」「預金通帳がない」と言い出して大騒ぎします。
最近は、「お前らが盗ったんだろう。返せ、返せ」と大声で叫びはじめるようになりました。
騒ぎはじめると、疲れ切るまで大声で叫び続けるため、私も妹も、とても辛いです。
近所の人が騒ぎを聞きつけて、「病院で大人しくなる薬出してもらいなよ」と教えてくれました。
祖母のこうした症状は、薬で抑えることができるのでしょうか。

 

 

【 上條先生の回答 】

薬を使う前に考えて欲しい

認知症のおばあさんを、ご姉妹で5年間も介護されてきたのですね。お疲れ様です。
おばあさんの症状は、認知症の症状のなかの「BPSD(行動・心理症状)」の1つ、「もの盗られ妄想」からの興奮だと思われます。
こうした症状に対して、薬という手段はもちろんあります。
ただ、薬を使う前に、考えていただきたいことがあります。

 

認知症の症状「中核症状」とは?

image003ここで、認知症について少し整理をしておきましょう。
認知症の症状には、「中核症状」と呼ばれるものと、「BPSD(行動・心理症状)」と呼ばれるものがあります。
「中核症状」は、脳の神経細胞が壊れることによって起こる症状です。
主に以下のような症状が、「中核症状」にあたります。

 

・ものごとを記憶することが苦手になる「記憶障害」
・時間や季節感、どこにいるのかがわからなくなる「見当識障害」
・考えるスピードが遅くなったり、予想外のことが起こると混乱する「理解・判断力の障害」
・料理ができなくなる、洋服が着られなくなるなどの「実行機能障害」
・その場の状況に合わせた反応ができない「感情表現の変化」

 

この中核症状に対しては、「アリセプト」を始めとしたいくつかの治療薬があります。ただし、効果があると認められているのは、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症だけです。脳血管性認知症やその他の認知症には効果がないといわれています。
「アリセプト」などの認知症治療薬は、脳の神経細胞が壊れるのを防ぎ、病気の進行を遅らせる薬です。

 

人との関わりで起きる「BPSD(行動・心理症状)」

一方、「BPSD(行動・心理症状)」は、認知症による症状や、周囲の人との関わりのなかで起きてきます。
「BPSD」には、主に以下のような症状が見られます。

 

・これまでできていたことができなくなり落ち込んで「うつ」状態になる
・周りの状況が理解できず不安から興奮したり、大声をあげてしまう
・大事なものをしまいこんで忘れてしまい、それが理解できずに「盗まれた」と思い込む
・時間の観念がわからなくなって、昼夜逆転の生活になる
・トイレの場所がわからずに、廊下で失禁してしまう

 

“薬”という選択をするまえに

image005「うつ」状態なら抗うつ薬、興奮をしているなら興奮を抑える薬、昼夜逆転なら睡眠薬など、BPSDの症状を薬で抑えることもできます。
ただ、よくよく患者さんを観察すると、BPSDには理由があることがわかり、その原因を取り除けば薬が必要なくなることもあるのです。
高齢者は、薬による副作用も出やすくなります。
薬を使うまえに、まず認知症の方への関わり方、向き合い方を考えていただきたいのです。

 

ただし、それはご家族だけで考えることではありません。
認知症は地域全体で考えるものだと思います。

 

次回は、認知症に対して、家族や地域がどのように対応していったらいいかを考えていきたいと思います。

 

●「認知症の症状は薬で治まる?」の記事をすべて見る
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プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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