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家族や本人が認知症と向き合うために「認知症の人が受診を拒むとき」5

2016年6月3日

これまでたびたび出てきた、地域包括ケアシステムを一番根本で支える「本人・家族の選択と心構え」。なんとなく重荷に感じられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。認知症のある方をとりまく制度は、まだまだ歴史が浅く、取り組みも日進月歩、発展途上です。うまく機能するには、時間がかかる部分もあります。「家族が選択し、心構えを持つ」にも、一朝一夕にはいかないでしょう。“あえて時間をかける必要がある”。そんな部分もあると上條先生。それはなぜでしょうか。
<回答:上條内科クリニック 院長 上條武雄 / 構成・文:椎崎亮子>

 

 

【質問 認知症かもしれない祖父をどうやって病院につれていけばよい? ~82歳・介護認定前】

物忘れなどがある祖父。認知症の診断を受けに病院に連れていきたいのに、本人がかたくなに病院へ行くのを拒みます。
(相談者:孫娘)

 

82歳になる祖父は、地方に一人で暮らしています。最近になって、祖父の友人から私の父(祖父の息子)に「物忘れがたびたびあり、家の中も雑然としている、様子がおかしいので病院へ連れて行ったほうがよい」という電話がありました。仕事の忙しい父は、…(続きはこちら)

 

 

【 上條先生の回答 】前回からの続き  *前回(4回目)3回目2回目1回目はこちら

認知症のある方を医療や制度につなげるには、時間がかかると認識を

1ここまでの4回で、認知症が疑われる方を医療や制度につなげるには、なんだかずいぶん面倒くさいな、大変だなと思われた方も多いのではないでしょうか。面倒くさいというよりも、ひとつひとつの手順になにかと時間がかかるということなのです。

 

「とにかく日々の生活の面で困っている」という場合には、急いで医療機関で診断を受け、すぐさま介護保険の認定手続きをして、認定が下りる前でもサービスを受けられる手配をして…ということもできます。

 

しかし、対応してもらうまでに時間がかかる場合もあります。たとえば特別養護老人ホームに入居できるまでには、ひどい場合は何年も待たなければなりません。使う人にとって迅速で便利な制度、サービス体系とはいいがたい部分が多い、介護保険制度の未熟な部分です。

 

「困っていることへの対処は、少しでも早い方がいい」。誰もがそう思うでしょう。
しかしながら、ご本人やご家族が「認知症であることを受け入れる」ことと「認知症について理解する」ことには、あえて時間を割く必要があると感じます。
ここを飛ばしてしまうと、あとあとにひずみが出てくる。ご本人が納得して医療や制度を受けることができにくいのです。

 

あえて時間を割きたい「認知症について受け入れ、理解すること」

認知症は、インフォームドコンセント(病気に関する説明とその治療にかかわる同意)、インフォームドチョイス(病気とその治療に関する説明をしたうえで、本人が治療の選択を主体的にすること)が簡単ではない病気のひとつです。3回目4回目でお話ししたように、ご本人が病気の自覚(病識といいます)を持つことが困難な病気だからです。

 

「認知症がどういう病気であるか」は理解できなくても、「健康で心穏やかな生活を送る」ことはどんな状態の人であっても望んでいます。そこを目指して、ご家族が協力し合う、そのために認知症という病気について理解する。そこに、時間をかけられたら、それが一番良いことのように思います。

 

医療者と患者が対等な現代だからこそ必要な時間

2相談者のおじいさまの場合、地域の認知症初期集中支援チームに依頼したとして、チームが実際におじいさまとともに動けるようになるには、もしかしたら月単位~半年ぐらいの時間がかかるかもしれません。

 

昔は、医療者が患者に対し、有無を言わさず必要とされる医療を行ってきました。これをパターナリズム(父権主義と日本語では訳されます)と呼び、いわば医療者が力で患者をどうにかする、という図式でした。

 

現代では、医療者と患者は本来あるべき対等の立場です。互いに信頼関係を築いて、そのうえで医療を行います。信頼関係を築くには、どうしても時間が必要です。特に認知症のある方は、他者に対する不安が強いものです。認知症初期集中支援チームがアセスメントを行い、実際に介入に至るにも、まずはご本人と雑談して顔なじみになって…という手順が必要な場合もあるでしょう。

 

急がば回れの「待てる介護」「待てる医療」

ご家族としては、ここまででお話ししたように、さまざまな意味で「待つ」ことが要求されるといってよいかもしれません。
よく、「待てる医療」「待てる介護」ということが言われます。これは、診察の待ち時間などの話ではありません。ご本人の納得を引き出し、考えて選択、行動できるのを待つということです。認知症のある方では、ご家族が代わって考える、選択し行動することも含まれるでしょう。

 

*地域包括ケアシステムの5つの構成要素「地域包括ケア研究所報告書」厚生労働省 平成25年より

*地域包括ケアシステムの5つの構成要素「地域包括ケア研究所報告書」厚生労働省 平成25年より

地域包括ケアの図の受け皿の部分、「本人・家族の選択と心構え」には、この「待つ」が含まれていると思います。現状は制度が未熟で、「待たされる」ことが避けられないからこそ、本来の「認知症への理解」にあえて時間をきちんと割く。それによって、ご本人ができる限り納得して動けるようにする。それがかえって時短にもつながるのではないでしょうか。

 

相談者のおじいさまが、できるだけ納得してご自身のこの先の生活を選んでいけるよう、ご家族のみなさんは、どうか認知症のこと、制度のことを学びつつ、医療者や介護者と連携して「待てる介護」を目指していただきたいと思います。

 

認知症のある方も安心して暮らせる地域づくりとは

現在の地域包括ケアは、認知症のある方のための体制づくりを始めたところです。やがてその体制は、地域のすべての、疾患や障がいのある方も対象となるものに成長していくはずです。つまり、認知症のある方のための体制づくりは、「地域づくり」そのものと言って過言ではありません。

 

制度を利用しようとされる方は、現場でどんどん意見を出してほしい。認知症のある方も安心して暮らせる地域づくりをするには、本人・家族の参加が大事だと私は思います。

 

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プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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