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治療を拒否する本人の意思は尊重すべき?「高齢者の手術・治療」4

2016年3月25日

病院が嫌いで、受診さえも一苦労という方は、少なくありません。また、ご本人が「もう手術や入院などはしない」とかたくなにおっしゃっている場合もあります。ただしその「決意」は、一度決めたから二度と変わらない、というものではありません。ご本人が気持ちを変えてもよいように、周りも柔軟に受け止めていけばよいのではないでしょうか。
<回答:上條内科クリニック 院長 上條武雄 / 構成・文:椎崎亮子>

 

 

【質問 高齢の母の白内障手術はしたほうがよい? ~88歳・要支援1】

高齢でも比較的元気な母。白内障の手術を眼科医から勧められましたが、年齢的にはもう手術などしないほうがよいのでは?
(相談者:息子)

 

先日、眼科検診で母(88歳、要支援1)の目について、眼科医から「白内障がかなり進行してきています。でも今なら手術すればよく見えるようになりますよ」と言われました。数年前に骨折してから多少足が不自由ですが、母には…(続きはこちら)

 

 

【 上條先生の回答 】前回からの続き  *前回(3回目)2回目1回目はこちら

病院が大嫌いなBさんが気持ちを変えた理由

1Bさん(90歳男性)は、胆のう結石症、いわゆる胆石をもっていました。もともと脂っこい食べ物がお好きで、それはお年をとってからも変わりませんでしたが、この胆石という病気には、脂っこいものが大敵です。

 

胆のうは、脂肪の消化を促す胆汁(たんじゅう)という液体の入った袋状の器官です。肝臓、膵臓、十二指腸と管で結ばれていて、脂肪を含む食物が十二指腸を通過するときに胆汁を分泌します。この胆のうの中に結石(胆汁の成分やコレステロールが固まったもの)ができると、胆のうが収縮して胆汁を出そうとするときに痛みが発生します。つまり、「食べると痛みが来る」というつらい病気です。

 

治療は、食事制限(しばらくは絶食)して点滴で栄養をとりながら様子見をするか、痛みが出る場合は腹腔鏡または開腹による手術で胆のうを摘出するかです。超音波で結石を砕いて排出させる治療もあるにはありますが、治療に時間がかかることや、再発してしまうことから、手術を選ぶのがふつうです。

 

Bさんは、もともと病院が大嫌いで、「腹なんか絶対切るもんか!」というタイプの方でした。その頑固さにはご家族もあきらめていて、「もう本人のいう通りにしてやってください」ということでした。
胆石の治療について、上記の通りのご説明をしても、最初は「様子見でいい」と強く希望されていました。ご家族もそれで納得されたので、絶食と点滴の治療を始めました。
ところがしばらくしてご本人が、「やっぱり手術を受けたい」と言い出されたのです。
やはり、食べるのが大好きなBさんにとって、絶食は想像以上につらかったようです。

 

ご家族も、Bさんの「心変わり」にほっとされたようでした。腹腔鏡による手術が行われ、Bさんは痛みから解放され、食事を楽しむこともできるようになりました。傷が小さく回復も早かったこともあり、結果的にBさんのQOL(生活の質)は大幅にあがりました。

 

「ご本人の思い込み」をうのみにしないでおく

2高齢者では特に、病院嫌い、医者嫌いという方が少なくありません。
また、ひと昔前の治療の様子を見ていて「あんな治療は受けたくない」と、かたくなに思い込んでいる場合もあります。

 

たとえば抗がん剤の治療は、20年ほど前まではとにかく副作用がつらいものでした。高齢の方は、その時代の治療を受けて苦しんだ肉親や知人がいたなどの記憶があり、「私は絶対に嫌だ」とおっしゃることがよくあります。
ですが、現在では副作用が少ない新しい薬がたくさん出ていますし、副作用を抑える方法もいろいろあって、外来で治療を受けながら働くこともできるほどになっています。

 

しかしならが、ご家族も「本人があんなに嫌がっているのだから」と、早々にご本人を説得することをあきらめてしまっている場合も見受けられます。
ご家族が「今は昔とちがってこうこうですよ」と話しても、思い込みは簡単には崩せないかもしれません。ですが、医療者が話せば違うということもありえます。

 

治療は受けたくないというご本人の希望は、もちろん尊重されるべきものではありますが、「治療を受ければQOLも上がり、まだまだ元気に暮らせるかもしれない」という可能性は、やはり簡単に捨ててしまってはいけないのです。

 

さまざまな可能性を最初から丁寧に話しあっておくことで、ご本人がいつ気持ちを変えてもよいような受け入れ態勢を作り、ひいてはご本人のためにもっとも適切な治療を選ぶことにつながります。

 

次回は、このシリーズのまとめとして、治療のやめどきを含む、「その人らしい選択」とは何かについてお話ししたいと思います。

 

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プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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