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どんな最期を望むか、本人への意思確認は重要~ACP「終末期を過ごす」2

2016年2月12日

アドバンス・ケア・プランニング(ACP)という取り組みをご存知でしょうか。
自分がこの先どんな医療を望み、どんな最期を迎えたいかを家族やかかりつけの医師とともに話し合い、文書に残しておくというものです。
ACPのような手法を用いて自分の意思を家族や医療者・介護者などと共有しておくことが、終末期まで自分の希望通りに過ごすために非常に大切です。
<回答:上條内科クリニック 院長 上條武雄 / 構成・文:星野美穂>

 

 

【質問 末期大腸がんで、家で看取ることにした父について ~83歳・要介護2】

末期がんのため自宅で最期を迎えることにした父。ある日、救急車を呼んだら医師に叱られました。救急車を使ったらいけないのでしょうか?
(相談者:息子)

 

大腸がんで闘病していた父が末期となり、家で最期を過ごしたいと退院してきました。
母の「家で看取りたい」という強い希望もありました。
ですが、昨夜までは普通に会話もしていたのに、退院から1週後の今朝、意識がもうろうとして起き上がれなくなりました。びっくりしてあわてた母が…(続きはこちら)

 

 

【 上條先生の回答 】前回からの続き  *前回(1回目)はこちら

事前に意思表示をして希望通りの最期を

1自宅や施設で療養しているなかで、急に容体が変わってあわてて救急車を呼んでしまったり、望まない医療を施されることがないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
それには、事前に家族やかかりつけ医と、これから表れるであろう体調の変化と、それに対する医療やケアについてよく話し合っておくことが大切です。

 

いま、介護施設や医療機関で、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)という取り組みが始まっています。
ACPとは、どのような目標を持って治療に臨み、どのような治療を選択していくか、延命処置を望むかどうか…などを医師、看護師などの医療職が、患者や家族と共に話し合い文書に残すという取り組みです。

 

「気管切開はしない」と意思表示したNさん

ACPの目的は、患者さんが自分の考えを伝えられなくなった場合に備えて、前もって受ける医療に対する希望を、家族や医師に伝えておくことです。
以前、Nさんという筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さんがいらっしゃいました。ALSは、足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気です。進行しても通常は視力や聴力、体の感覚などは変わりませんが、手足が動かしにくくなり、声も出しにくくなって意思表示が難しくなります。進行するとともに呼吸困難や嚥下障害も起こり、やがて死に至る病気です。
Nさんは、「意思表示ができなくなる前に」と、妻とともに話し合って、これから自分が希望する医療について私に伝えてきました。

 

それは、

 

(1)呼吸困難が現れたら、酸素マスクまでは行うが、気管切開による人工呼吸は行わない
(2)それにより呼吸が苦しくなったら、モルヒネによる緩和ケアは受け入れる
(3)胃ろうは受け入れるが、中心静脈栄養は行わない
(4)どのような状態になっても、延命につながるだけの蘇生術や集中治療などの処置は行わない

 

といったものでした。

 

私と、在宅介護・看護に当たったスタッフは、これらの希望を共有してケアに当たりました。Nさんは呼吸困難による気管支切開を受けることなく、しかし呼吸困難が現れてきてからはモルヒネをしっかり使い、おだやかに苦痛なく旅立たれました。

 

ACPで心配払拭、精神安定も

2ALSは進行の段階がはっきりしているので、事前準備がしやすいといえます。一方、がんや脳梗塞などほかの疾患は、ALSと比べると多彩な経過をたどります。特にがんの最期は、激しい痛みや吐血、譫妄(せんもう)が起こるなど、どのような症状が出るかはその方により千差万別です。
それでも、主治医からこれから起こるべき可能性のある症状の説明を聞き、それについてどう対応していくかを話し合い、決めていくということは、決してできないことはありません。

 

また、それをしておくと、病気自体の治療がしやすくなる可能性があります。
前向きに治療に取り組んでいる場合でも、治療が上手くいかなかった事態を想定して準備をしておくと、「こうなったらどうしよう」と思い悩むことがなくなり、精神安定につながると言われているのです。
ですから、ACPはなにも最期を迎えるときばかりでなく、病気と闘っている最中から考えておくべきことなのです。
そしてACPは、文書も残しますが、文書を残すことそのものよりも家族や医療者と話し合う過程を重要視します。しっかりと話し合って、ご自身の生き方や思考を理解してもらうことで、たとえ想定外の出来事が起きてそれに対して意思表示ができなかったとしても、家族や医療者がご自身を尊重した選択ができるようになります。

 

次回はACPを行うために考えておくべきことと、最期の希望を伝えておかなかったために起こる可能性のある事態について考えます。

 

●「終末期を家で過ごす」の記事をすべて見る
●「在宅医 ドクター上條に聞く」のコーナーをすべて見る
●「高齢者のかかりやすい病気・疾患」の一覧を見る

 

●こちらの記事も参考に
→「家で亡くなるということ」

 

プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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