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わずかな刺激ででき、虐待と間違われがちな老人性紫斑「高齢者のあざ」1

2016年1月8日

高齢になると、体全体の機能が衰えますが、中には思わぬ「衰え」に、家族がびっくりするようなこともあります。今回は高齢者にできやすい「あざ」に注目しました。打撲などがなくても、突然目立つ赤黒いあざができてしまう。施設で暮らす方では、離れて暮らすご家族が見つけて「虐待や事故があったのか!?」と動転してしまうことも。4回連載でお伝えします。
<回答:上條内科クリニック 院長 上條武雄 / 構成・文:椎崎亮子>

 

 

【質問 あざがたびたびできる母について ~85歳・要介護3】

認知症があり足腰が弱く介護施設に住んでいる母。ある日腕にいくつものあざがあるのをみつけました。虐待ではないかと心配です。
(相談者:娘)

 

185歳の母は、認知症があり足腰が弱っていることもあり施設にいます。
先日会いに行くと、両腕に赤黒いあざができていました。施設の職員からは、「介助を強く拒否されることがあり、転倒防止のために職員がとっさに腕をつかんだところ、皮下出血してあざになりました」と伝えられました。

 

見るも痛々しい、1つが直径3センチほどあるあざです。母に尋ねても「別に痛くないよ」というのですが、腕をつかんだぐらいでこんなあざになるものでしょうか。本当に痛くないのでしょうか?

 

もしかしたら虐待があるのではないかと心配です。

 

 

【 上條先生の回答 】

皮膚の構造も血管壁も弱くなるためにできる「老人性紫斑」です

2施設にお母さまを訪ねて行ったら両腕に大きなあざがいくつも…本当に驚かれ、ご心配なことでしょう。

 

結論から言いますと、お母さまのあざは「老人性紫斑(ろうじんせい しはん)」というもので、確かに通常、痛みはありません。そして、施設の職員さんの言葉通り、「腕をつかんだだけ」でも、できてしまうものなのです。虐待というようなことはなかったと思いますが、介助の拒否をされるということは、また別の課題として考えるほうがよいことかもしれませんね。

 

 

血管から漏れた血液が皮膚を通して見えるのが紫斑

老人性紫斑の「紫斑」とは、皮膚の中あるいは皮下の血管から、なんらかの原因で血液が漏れ出し、それが皮膚を通して紫色がかったあざとして見えている状態を指します。私たちが普通に経験する打撲のあとの青あざも紫斑です。
通常、皮内(皮膚層の中)や皮下の血管は丈夫な皮膚に守られ、そう簡単にそこから出血するようなことはありません。青あざができるほどの打撲は、それなりに強く、痛い思いをすることが普通です。
ところが、皮膚や血管が弱っている状態では、比較的容易に紫斑になってしまいます。

 

一般的には、紫斑になるような、血管や皮膚が弱る原因はさまざまです。中には血液の凝固異常や白血病といった深刻な病気が隠れていることもありますし、出血しやすくなるような薬剤が原因の場合もあります。
病気や薬剤の影響という懸念を除外するためには、ほかに鼻血などの出血傾向がないかを確認すること、かかりつけ医やかかりつけ薬局の薬剤師に薬について尋ねることを並行して行うとよいでしょう。

 

皮膚も血管ももろくなっている高齢者

job_doctor加齢は、体のすみずみにまで及びます。皮膚や血管も、加齢によって衰えます。
皮膚はおおまかにいって表皮、真皮、皮下組織の三層構造をなしています。真ん中の真皮は、豊富なコラーゲン繊維が網目状の構造をつくり、弾力のある層となって体全体を守る役目をもっています。ところが、高齢化してコラーゲンが減ってしまうと、柱のない建物のようなスカスカの状態になって皮膚全体が薄くなり、弾力も失われてしまいます。
また、コラーゲン繊維はその間に水分を保持する機能も持っていますので、コラーゲンが減ることで皮膚全体が乾燥します。そのためよりもろくなり、容易に傷つく状態になっています。真皮の中や皮下組織の血管を守る力も弱くなっているのです。

 

血管自体ももろくなっています。「年を取ると血管が、古びたゴムホースのように弾力を失う」ということを見聞きしたことがあるでしょう。末梢の細い血管(毛細血管)では、血管壁が太い血管のように筋肉(平滑筋)の層をもっておらず、薄い血管内膜という層だけでできています。これが老化によってさらに物理的に切れたり傷ついたりしやすくなっています。
傷ついた血管から漏れ出した血液は、構造がスカスカになっている皮下にあっという間に広がります。
つまり、介護のときにとっさに腕や手をつかむといったささいなことで、末梢の毛細血管が簡単に傷ついて血液が漏れ出し、薄くなった皮膚を通してそれが見えてしまう。それが紫斑として目立つのが、老人性紫斑という状態なのです。

 

簡単にあざになりやすいとは、上記のような状態が高齢者の皮膚でおこっているということです。
老人性紫斑は特に、手の甲や前腕部で出やすいという特徴がありますが、基本的に体のどこの部位でも、紫斑はできやすくなっていると考えたほうが良いでしょう。

 

次回は、老人性紫斑を放っておいてはいけないというお話しです。

 

●「高齢者はあざができやすい?」の記事をすべて見る
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●「高齢者のかかりやすい病気・疾患」の一覧を見る

 

 

プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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