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終末期は本人の人となりに沿って考慮「言葉の出ない高齢者との意思疎通」4

2015年11月13日

言葉によるコミュニケーションが取れないと、介護・看護を行う側が、不安を感じることも多いようです。「本人の意思を無視して勝手にものごとを決めているのではないか」という思いにとらわれるようなケースです。どうしたら、その人らしさを尊重した介護ができるのでしょうか。前回にひきつづき、実例を通して上條先生が答えます。
<回答:上條内科クリニック 院長 上條武雄 / 構成・文:椎崎亮子>

 

 

【質問 呼びかけに反応しなくなった祖母について ~92歳・要介護5】

アルツハイマー型認知症に脳梗塞を併発した祖母。家族が話しかけてもほとんど答えなくなりました。どうすればよいのでしょう?
(質問者は孫)

 

祖母は2か月前、脳梗塞と診断され入院、処置で一命はとりとめました。しかし家族が話しかけても聞こえているのかどうか。ほとんど言葉を返してくれなくなりました。この状態は改善しないのでしょうか。また、今後どのように祖母の意思確認をしていけば…続きはこちら

 

 

【 上條先生の回答 】前回からの続き  *前回(3回目)2回目1回目はこちら

ご本人に聞いてみよう、という場合もあります

1今回の連載でお話ししてきたことは、医療では及ばないこと、ご家族でしかできないこと、になるかもしれません。私は、医師として在宅の患者さんとそのご家族に接していて、介護されるご家族の力のすばらしさには、日々尊敬の念を抱いています。

 

終末期にさしかかると、言葉だけではなく、本当にほとんどの意思表示がなくなる場面が出てきます。もう食事もとれない、体を維持するために点滴をするかどうかといった場面で、ご家族は「ご本人の意思をどう確かめたらよいか」と悩むことがよくあります。ご家族が、ご本人に代わって意思決定しなければならない場面です。

 

私は、「ご本人ならどう思うと思いますか?」と問いかけることにしています。でも、みなさん、う~ん、と考え込んでしまいます。こんなときには、いま一度「ご本人に尋ねてみる」ことも必要です。

 

ある終末期の患者さんに、「点滴やるか~?」とご家族が呼びかけると、首を横に振ったことがありました。また、点滴をしてる最中に痛い顔したとか、手ではらうようなしぐさをしたとかということも、意思表示として見受けられます。

 

もちろん、意識もほとんどあるかないかの方ですから、反射的な動きかもしれないし、少し意識が戻って、意志のある行動なのかもしれません。

 

ご本人の「人となり」に沿って、みんなで考えることが大切です

その解釈をするのはご家族、または介護者の大切な役目だと思います。問いかけた瞬間だけではなくても、点滴を3日間するとしたら、その3日間のうちに、何かをキャッチする人がご家族や介護者の中にいるかもしれません。

 

このときに、解釈する人がなんらかの先入観を持っていると、とらえ方にバイアスがかかってしまいます。たとえば、顔をしかめたとしたら、針を刺したときの瞬間的な痛みかもしれません。もしくは、点滴そのものに対する意思表示かもしれません。どちらなのかといったことを、先入観なく、ご本人の人となりを介護者みんなで共有しながら考えること。ご本人だったらどうするだろう、どう考えるだろうと、その立場に立って考えることが大事だと思うのです。

 

結果がどうこうというよりは、そういう作業をみんなですることこそが愛情ではないかと私は思っています。

 

正解がないからこそ、プロセスを大事にしましょう

2アルツハイマー病が進行し、刺激に対する反応がほとんどない、ある患者さんがいます。長年介護してこられた奥さんによると、ずっと眠っているように見えても、ご本人が、「笑っている」「喜んでいる」などがはっきりわかるとおっしゃるのです。ご主人から伝わってくる「感じ」をとても大事にしていらっしゃるようです。

 

夫婦は以心伝心などと言いますが、微妙な表情、顔色の変化、目の動き、目力などの小さな信号をキャッチできる方がいるのは確かです。ご家族だけでなく、施設の介護職員や訪問介護ヘルパーの中にもそういう力を持つ方はいます。長い看護、介護の中で、イエスノーの意思表示もなんとなくわかってくるそうです。それを頼りに、こうしてあげたい、ああしてあげたいという判断をなさっているのです。

 

介護は長く、先が見えないつらさもあります。けれどもご本人の小さな意思表示を受け取れるということは、そんな中でも張り合いになります。思い込みかもしれない、でも思い込みではない可能性もあるのです。「人は最後まで、意思の疎通、コミュニケーションをとろうとするものだ」と、介護する側が受け止めていくことも大事ではないでしょうか。

 

死に向かう人への接し方には、正解というものはありません。だから、プロセスを大事にしたいのです。

 

聞こえるかもしれない、でも聞こえなくても、家族のぬくもりやにおいはわかっているかもしれない。なんらかの形で感じることができて、可能性がゼロでない限りは、聞こえる、意志を持つ一人の人として接する。人間としての尊厳を守っていく。

 

何をしたらいいか、必死で考え、悩み、眠れなくなるかもしれません。でも、正解はわからなくても、みんなで力を合わせて考えていこうではありませんか。

 

次回は、薬との付き合い方についてお伝えします。

 

●「反応がなくても聞こえてる?」の記事をすべて見る
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プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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