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「嚥下障害で胃ろうを検討中。胃ろうは、一度つけた後でも外せるもの?」1

2015年9月25日

新連載シリーズ「在宅医 ドクター上條に聞く」。第2回は、「胃ろうについて」です。
TVや新聞で「平穏死」という言葉が取り上げられ、胃ろう(胃瘻)の是非も問われています。胃ろうとは、口から食事のとれない方や、むせたりして肺炎などを起こしやすい方に対する医療的措置。口からではなく、直接、胃に栄養を入れる栄養投与の方法です。
ご家族にしても、口からものを食べることができなくなった患者さんを前に、胃ろうの設置を問われたとき、「食べることもできず、ただ生かされるのはかわいそう」、「でも生きていて欲しい」という思いに煩悶される方も多いのではないでしょうか。
介護の現場で胃ろうによって何が起きているのか、上條先生が関わってこられた実際の事例をみながら、一緒に胃ろうについて考えていきましょう。
<回答:上條内科クリニック 院長 上條武雄 / 構成・文:星野美穂>

 

 

【質問 胃ろうについて ~78歳・要介護度5】

口から食事が摂れなくなり、胃ろうを勧められました。胃ろうは一度作ると、もう外せないのでしょうか。
78歳、脳梗塞による左半身麻痺あり、嚥下障害あり、要介護度5(質問者は娘)

 

12か月前に父が脳梗塞を起こし入院しました。一命はとりとめましたが、左半身が麻痺し、食事が飲み込めなくなりました。そのため主治医からは胃ろうを作ることを勧められています。
口からの食事は、誤嚥性肺炎を起こすなどのリスクがあることは理解しています。今の状態では胃ろうから栄養を入れないと衰弱してしまうとも言われました。
でも、美味しいものを食べることが何より好きだった父が、もう食べることができないのかと思うとかわいそうでなりません。胃ろうは一度作ったら、外すことはできないのですか。父はもう二度と、食べる喜びを得ることはできないのでしょうか。

 

 

【 上條先生の回答 】

一度胃ろうを作っても、外すことはできます。

2「外すことはできますか?」という質問にストレートに答えるなら、「外すことはできます」。

 

そもそも胃ろうは、お父様のように脳梗塞により嚥下困難になるなど、何らかの障害により口から栄養が摂れない状況になったとしても、からだにはまだ生きる力がある方に行うべき「医療的処置」です。胃ろうにより栄養が入ることで、からだの機能が改善し、再び口から食べられるようになることもあります。
ですから、口から食事ができるようになった時点で、胃ろうを抜去することはできます。また、実際は胃ろうをつけたままで、口から食事をすることもできます。

 

胃ろうは、お腹の外側から胃に通じる小さな孔を開け、そこにチューブを通して栄養を胃に直接送り込むというものです。使わないときはチューブに「フタ」をしておきます。タイプによって異なりますが2か月~6か月ごとに、お腹に設置した器具を交換しなければなりません。胃ろうの設置中は、この交換や管理の手間はありますが、使わなくてもそのまま設置しておくことに問題はありません。

 

口から食べられるようになったとしても、年齢の変化のなかで、再び嚥下機能が落ちてくる日は必ず来ます。そのとき、胃ろうを設置したままであれば、スムーズに胃からの栄養摂取を再開できるでしょう。ただし、看取り期での胃ろうの場合、今度はもう口から食べられることはないかもしれません。しかし、胃ろうからの栄養によって、またしばらく生きることができます。

 

「走りながら考える」こともできる

3もちろん、いつどんなケースでも胃ろうを選択するのがよい、ということではありません。今回は急場をしのぐために胃ろうを入れてからだを元気にしたけれど、次に口から食べることができなくなった時には、胃ろうにはしない。自然の死をみんなで見守る、ということで本人や家族の意見が一致したのなら、外すという選択もあると思います。

 

一度外したとしても、もう一度胃ろうを作ることもできます。ただ、比較的簡単にできるとはいえ、胃ろうは手術で作ります。リスクがないとはいえませんし、患者さんのからだの負担も少なからずあります。
ですから、5年先、10年先になるかもしれなくても、将来的に使うことを想定するのであれば、胃ろうを入れたままにしておくほうが負担は少ないと考えられます。

 

マスコミなどで胃ろうの是非も議論されている今、決断を迫られて迷われるお気持ちは良くわかります。私は迷っているご家族には、「やらないという選択をして後悔するなら、やりましょう」とお話ししています。胃ろうについては、「走りながら考える」ことも可能です。一度つけても取り外すことはできますし、取り外した後、再び設置することもできるからです。

 

大事なのは、胃ろうを作ったとしても胃ろうだけに頼り切るのではなく、口腔ケアをきちんと行い、嚥下機能のリハビリテーションをしっかり行うことです。それにより、再度口から食べることのできる可能性は高くなります。すべての栄養を口から摂れなくても、たとえばご本人が好きな物、誤嚥しにくいものだけを口から食べて、残りの必要な栄養は胃ろうから摂るという選択もあります。
そして、人生の最期に向かって、少しずつ心の整理をしていくことも大切です。

 

次回は、しばらく使っていなかった胃ろうの再開により、体調不良を乗り切った実際の例を紹介します。

 

●「胃ろうは、はずせるの?」の記事をすべて見る
●「在宅医 ドクター上條に聞く」のコーナーをすべて見る
●「高齢者のかかりやすい病気・疾患」の一覧を見る

 

 

プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

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