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輸液治療の高齢者への負担・お看取り期の脱水<高齢者は脱水になりやすい3>

2015年2月27日

脱水の治療には輸液は欠かせないものです。しかし、輸液を漫然と続けては、体にとって負担になることがあります。また、お看取りの近い方では、輸液がかえって苦しさを強めることもあります。高齢の方にとっての医療は、人生の大団円も視野にいれることが、「最後の瞬間まで良く生きるために」大切なことです。
<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄/文:椎崎亮子>

 

輸液が高齢者にとって負担になるとき

byoki1急性期の病的な状態を回復させるためには、輸液は非常に重要ですし、積極的にかつ速やかにおこなわれるべき治療です。ただし、不足した水分・電解質を補正することができたら、輸液は切り上げ、経口での摂取に戻すようにします。
また、発熱や下痢でも脱水を起こしていない場合や、軽度の脱水で経口での水分・電解質の摂取が可能であれば輸液はしません。

 

「不安だから点滴をしてください」と医師に頼む人は少なくないようです。しかし、薬としての成分は何も入っていない、体液の代わりとなる輸液であっても、過剰になれば害になります。

 

輸液が過剰になると、手足にむくみがおきたり、血圧が上昇したり、心臓・肺に負担がかかり、心不全を起こすこともあります。特に腎機能の落ちている方、心疾患、肺炎のある方では十分な注意が必要です。このようなわけで、「点滴さえすれば元気になる」というのは、まったく根拠のないことなのです。

 

脱水が「自然の状態」であるときもある

byoki3_2通常、脱水とは体が不健康に水分と電解質を失った状態です。口やのどのかわき、頭痛や倦怠感などのつらい症状が現れます。しかし高齢者はこれらの自覚症状を感じにくくなっています。そのため、周囲の家族などが気づきにくいことが、注意点としてあげられます。
反面、「のどの渇きを感じにくい」ということは、本当の終末期、お看取り期に入った高齢者にとっては、悪いことばかりではありません。
慢性の経過をたどってお看取り期に入り、周囲の努力にもかかわらず食欲も回復しない方は、すでに体が栄養物も水分も代謝できなくなっています。全身の器官がすべての働きを止めるときが訪れているので、体が水も栄養も必要としないのです。結果として栄養不足と脱水が進行します。急性の病気の経過と違い、この最期のときにあたっての栄養不足と脱水は、自然の状態ですので、あえて治療の対象にはしないほうがよいのです。

 

脱水の進行に従い、傾眠(うつらうつらと眠りっぱなしの状態)になっていきます。この状態では、脱水にともなうさまざまな自覚症状はほぼ感じることがありません。周囲はご本人が飢えや渇きに苦しんでいないかと心を痛めますが、ご本人はとても穏やかな安らぎの中にいるようです。80年代~90年代に海外の研究により、終末期の脱水は脳内にβエンドルフィンやケトン体を増加させるため一種の鎮静・鎮痛作用を起こすことが知られています。

 

どこまで輸液の治療をすべきなのか

輸液によって十分に元気を回復し、まだまだ生きられると判断できる方の場合は、当然積極的に静脈からの輸液をします。この見極めは、医師によって慎重におこなわれます。
しかし余命によっては、輸液を止めたり、減らしたりする場合もあります。たとえば、がんの患者さんで、腹水・胸水がたまっている場合は、推測される余命と経口摂取の状況をみながら、輸液を止めたり、減らしたりするようにガイドラインが定められています。
「終末期癌患者に対する輸液治療のガイドライン」

 

輸液を続けることで、腹水や胸水が増え、結果的に本人を苦しめることになるからです。

 

がんがなくても、体がすでに水分を吸収できない状態になっていると判断されれば、輸液は減らすか中止します。体の状態を無視して輸液を続けると、肺水腫(肺胞や気管に水分がたまった状態)に陥り、「おぼれてしまう」こともあります。

 

おだやかな「皮下輸液」の方法もある

在宅の方やお看取り期の方では、静脈ではなく、皮下に輸液をおこなう場合があります。胸部や腹部、場合によっては背中の肩甲骨の上あたりに、プラスチックの柔らかい針を留置して、皮下組織に吸収させるように生理食塩水*をごくゆっくりと点滴する方法です。

 

皮下から入れられるのは水分と電解質のみで、高カロリー輸液のような、栄養物を入れることはできません。また、急速に脱水を治療する必要のある場合は適しません。しかし、血管が細くて静脈からの輸液が難しい方や、輸液ラインを引き抜こうとしてしまう方には、良い方法です。出血のリスクも少なく、血管を傷める心配もないため、お看取り期で継続的かつ穏やかに水分・電解質を補給したい場合にも、選択される方法です。

 

次回は、経口での脱水治療と、脱水の予防についてみていきます。

 

<生理食塩水*> 現在、添付文書上で皮下への点滴が認められているのは、生理食塩水(体液とほぼ同じ浸透圧となるように濃度を調整された塩化ナトリウム水溶液)だけです。しかしその他の輸液製剤も、医師の判断の下、状況に応じて皮下輸液に用いられているのが実情です。

 

●熱中症による脱水にも気をつけてください →「高齢者の熱中症」

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