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認知症の方が食欲をなくすとき~高齢者の食欲不振

2014年7月18日

syokuyokuhushin1蒸し暑い毎日ですね。じっとしていても熱気がこもり、元気な人でもどうも食欲が出ない、という季節です。高齢者でも食欲低下とともに、元気も出なくなってしまうことが少なくありません。

 

「もう年だから仕方ない」と思われがちですが、本当に「年のせい」でしょうか。特に認知症を持つ方の場合、他に不調があるのに訴えられず、結果的に食欲が落ちていることもあります。家族も気づきにくい、高齢者の食欲不振の原因に迫ります。
<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄/文:椎崎亮子>

 

だんだん食欲が落ちてきた

この記事の監修を担当している上條先生はある日、90歳になるナツさん(仮名)のお宅を訪問しました。認知症はあるものの、普段は食欲もあり、嚥下機能も悪くありません。内臓が丈夫で血色も良い方でしたが、なんだかこの日は元気がありませんでした。娘さんは、心配そうにこう話します。

 

「おばあちゃん、この2カ月ほどでだんだん食欲が落ちてきたんです。暑くなってきて、もっと食べなくなりました。体重も減ってきてしまっているんですが、もう90歳ですし、仕方ないかね、なんて家族で言っているんですよ」

 

上條先生が診察した範囲では、ナツさんに特に食欲が落ちるような内臓の病気はなく、認知症が急に進んだ様子もありません。娘さんに、他に何か心当たりがないか尋ねてみると、しばらく考えた後、こんな答えが返ってきました。

 

「そういえば、口腔ケアのときにいつも入れ歯をつけはずしするのですが、しばらく前からそれを嫌がるようになったんです」

 

上條先生は、ナツさんが口の中に、なにか違和感を持っているかもしれないと気付きました。しかし、ナツさん自身に尋ねてみても、顔をしかめて食べたくないと言うばかりで、はっきりとした答えが返ってきません。

 

在宅訪問の歯科医師と連携

上條先生は、連携している歯科医師に連絡をとり、ナツさんの口の中を詳しく調べてもらいました。

 

すると、ナツさんの入れ歯がわずかに舌の側面に当たっていて、そこに潰瘍ができてしまっていることがわかりました。歯科医師は、すぐに入れ歯の不具合を治し、同時に口の中の潰瘍の治療を行いました。その後数日で、みるみるうちにナツさんの食欲は回復、元気も戻ってきたのです。

 

症状をはっきり訴えられない認知症の高齢者

認知症の方の場合、どこかが痛かったり、違和感があったりしても、「どこがどうおかしい」と詳しく表現できない場合があります。それが「ものを食べたがらない」食欲不振としてあらわれた場合、内科的に問題がなければ原因を特定しにくいこともよくあります。

 

口腔内の違和感は、加齢による歯・歯肉の不具合や、義歯の経年劣化などでおこりがちです。日常の口腔ケアの指導なども兼ねて、かかりつけの歯科医に相談してみることはとても大事です。

 

食べることを拒否してしまう

さて、すっかり食欲も回復したと思ったナツさんでしたが、ご家族が安心したのもつかのま、冬になる頃また食欲がなくなってしまいました。今度は、口の中にも、そして胃腸にも問題はなさそうです。

 

ご家族は、ナツさんの好きな食べ物を次々試してみたり、口当たりや香りがよくなるよう調理法を変えてみたり、食事をしやすいようベッドの上での姿勢を見直してみたり、少しでも気分よく食事ができるようさまざまな工夫をこらしてみました。

 

しかしナツさんは食べ物にまったく興味がない様子で、口を固く閉じ、そっぽを向いてしまいます。娘さんは途方にくれていました。

 

「先生、おばあちゃんは食事を拒否したまま、飢え死にしてしまうんじゃないでしょうか。胃ろうを考えたほうがいいのでしょうか」

 

認知症の進行で食欲がなくなる

上條先生は、ナツさんの様子を見ていて、「これは認知症の進行によるものだな」と気づいていました。

 

「ナツおばあちゃんは、体はまだお元気で栄養を必要としている状態です。ですが、認知症のために、食欲を感じづらくなってしまっていると考えられます。認知症は、さまざまな病態がありますが、どれも脳細胞が少しずつダメージを負い、それに従って正常な反応や行動ができなくなっていく病気です。

 

食欲は、脳の視床下部というところが司っています。視床下部の外側に摂食を促す部位が、内側には満腹を感じて摂食を止める部位があり、体の要求に応じて双方がバランスよく働いていますが、認知症によってこの部分のバランスが崩れると、体から要求があっても反応できなくなります。これは、年齢による衰えとはまた別のことなので、たとえば若年性の認知症の方にも見られます」(上條先生)

 

季節が関係する食欲不振もある

ナツさんの場合、胃ろうを考える前に、一度食欲が出る向精神薬を服用してもらい、食欲が戻るか見ることにしました。認知症のさまざまな症状(周辺症状=BPSD)を軽減する向精神薬の中には、陰性症状(抑うつ、感情の起伏の低下、ものごとに関心がなくなるなど)を改善するものがあります。食欲不振も陰性症状に分類されますので、お薬で改善することがあります。陰性症状は季節性の変動があり、特に冬に悪化することがあります。

 

ナツさんには「クエチアピン」という薬が合いそうだということがわかりました。服用を開始すると、ナツさんはまた食事がとれるようになり、ご家族もほっと安堵しました。

 

こうしたナツさんのケース以外にも、高齢者の食欲不振の要因はさまざまあります。
次回はそうした、高齢者の食欲が落ちたら、観察してみたいポイントについて見ていきます。

 
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●人気連載『在宅医 ドクター上條に聞く』では、家族の疑問に先生が答えます。
「食事をほとんど食べない高齢の父。無理に食べさせるべき?」 の先生の回答を見る(4回完結)

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