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高齢者だからこそ大切な糖尿病のコントロール~高齢者の糖尿病1

2017年7月21日

今回から8回にわたって、糖尿病についてお話していきます。
2014年に発表された患者調査では、糖尿病の患者数は、前回調査(2011年)から46万6,000人増えて、過去最多の316万6,000人となっています(2014年患者調査の概況)。
糖尿病の患者割合は高齢になるほど高くなり、糖尿病の治療経験があるなど「糖尿病が強く疑われる者」は、60~69歳では、男性22.9%、女性11.4%、70歳以上では男性27.3%、女性17.2%となっています。

 

糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度のコントロールを行うインスリンが不足して、血液中の糖が血管壁を侵し、弱くしてしまう病気です。
また、細胞のエネルギー源である糖が適切に運ばれなくなってしまいます。このため、合併症と呼ばれるさまざまな症状が引き起こされ、他の病気の発症とも密接に関係しています。
糖尿病を適切に治療し、コントロールすることで、合併症を防ぎ、よりよい体の状態を保つことが、生活の質(QOL)を保つことにつながります。

 

<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄 / 文:椎崎亮子、星野美穂>

 

糖尿病は「万病の元」

1糖尿病によって、引き起こされる合併症には、実にさまざまなものがあります。
合併症については以下をご確認ください。

【糖尿病の合併症】

急性合併症
■糖尿病性昏睡
ケトアシドーシス性昏睡、高浸透圧性非ケトン性昏睡、乳酸アシドーシス
■低血糖
■急性感染症
ガス壊疽(足病変)、悪性外耳道炎、胆のう炎、腎盂腎炎(じんうじんえん)、肺・呼吸器感染症、膀胱炎、皮膚・粘膜・軟部組織の感染症[膿瘍(のうよう)、白癬(はくせん)、筋膜炎など]、手術後の感染症(MRSA)等

 

慢性合併症
■細小血管障害
腎症、網膜症、神経障害
■大血管障害
大動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などの虚血性心疾患、閉塞性末梢血管障害
■認知機能障害

 

命にかかわる合併症は、糖尿病性昏睡や低血糖発作による失神だけではありません。
糖尿病から引き起こされる脳梗塞、虚血性心疾患などの動脈硬化性疾患も、糖尿病のない人の3~4倍もかかりやすく、命を脅かす原因になっています。

 

また、網膜症、腎症、神経障害(手足のしびれ)などは、QOLを大きく下げるものです。感染症にかかりやすいことや、認知機能に障害が出ることなどは、ご本人がつらいだけでなく、看護・介護を行う家族にとっても大きな負担となってしまいます。

 

高齢者は高血糖・低血糖の発作が起きやすい

血液中の糖の濃度が高まることで直接引き起こされる糖尿病性昏睡や、インスリン注射や経口の糖尿病治療薬によって引き起こされる低血糖の発作は、もっとも急激で命にかかわる合併症です。
糖尿病にかかっていれば年齢を問わずおこる可能性があるものですが、高齢者の場合は比較的軽い糖尿病でも、これらの発作が起きやすくなっています。

 

感染症や高カロリー輸液、高血圧の治療に使う利尿剤、炎症止め等に使われるステロイドなどの影響で、突然血糖値が非常に高くなることがあります。
そのうえ高齢者は若い人に比べて、“体の脱水状態に合わせて渇きを感じる機能”が衰えているために水分を取らず、脱水を起こしやすく、また脱水が重くなりやすいのです。

 

低血糖の場合は、高齢者では体内での薬の代謝が遅くなり、効き目が長引くことなどから、低血糖になりやすくなっています。また、高齢者は食事量の低下による低栄養状態になっていることも少なくなく、そのため糖尿病治療薬による低血糖を引き起こしやすくなります。
その一方で、自律神経の機能が低下していたり、低血糖状態に体が慣れていたりして、低血糖に気付きにくく、対処が遅れる傾向にあるといいます。

 

以下に、主な低血糖の症状をあげました。

 

【低血糖の特徴的な症状】
■自律神経症状(警告症状)
個人差や体調によるばらつきはあるが、おおむね血糖値が70mg/dl以下で出現
症状:空腹感、あくび、動悸、冷や汗、不安感、悪心、めまい 等

 

■中枢神経症状(脳が糖の欠乏によって正常に働かなくなる症状)
個人差や体調によるばらつきはあるが、おおむね血糖値が50mg/dl以下で出現
症状:無気力、脱力、集中困難、混乱、ものが二重に見えたりぼやけたりする、ふらつく、手足の自由がきかない、言葉の不明瞭、片麻痺、意識障害、昏睡

 

低血糖発作は認知機能に影響する

認知症と糖尿病の関連も指摘されています。

 

低血糖を起こすと、一時的に、せん妄や認知症に似た症状が出ることがあります。集中力や意欲がなくなり、ものごとが混乱したり、言葉が不明瞭になることもあります。
一時的な低血糖の場合は、適切な治療により低血糖が改善されれば症状も改善されます。

 

しかし、血糖値のコントロールがうまくいかず、低血糖発作を繰り返す方や、自覚がなくても慢性的な低血糖状態が続いている方では、認知機能への影響も大きく、永続的な認知障害に発展する可能性もあることがわかってきています。

 

糖尿病は認知症のリスクをたくさんはらんでいる

2糖尿病と脳血管性の認知症は深く関係しており、糖尿病患者では糖尿病のない人に比べ、3~4倍も脳血管性認知症にかかるリスクが高くなっています。
高血糖は、脳の血管にも動脈硬化を引き起こします。自覚がなくてもラクナ梗塞とよばれる小さな脳梗塞がたくさん起こり、認知機能に影響を及ぼしていきます。未治療や、治療を受けていても、糖尿病薬やインスリンの不適切な使用で高インスリン血症を起こしている方にもラクナ梗塞が多く見られます。

 

また、糖尿病性の神経障害は、手足などの末梢神経だけでなく、中枢神経である脳にも起こりえます。全身の血管の機能が衰えて脳への血流が阻害され、十分な酸素が送られなくなることも、認知機能に影響します。

 

近年、アルツハイマー病との関連も追究されています。
九州大学が福岡県久山町で住民を対象として行っている疫学調査では、糖尿病を持つ人がアルツハイマー型認知症にもかかりやすいことがわかっています。

 

アルツハイマー病の原因についてはいまだ不明な点が多くありますが、糖尿病が発症の危険因子の一つと考えられるようになっています。

 

高齢者こそ糖尿病の治療を

少し古いデータですが、2011年度の国民健康・栄養調査によれば、50歳~69歳の男性で糖尿病と言われながら治療を受けたことがない人が31.4%、女性では23.8%、70歳以上でも、男性14.2%、女性19.6%います。
また、過去に治療を受けていて中断した人を含めると、その割合は4割前後に上ります。

 

2型糖尿病は生活習慣病であるため、治療には食事療法や運動療法を併用します。高齢者、特に要介助、要介護の状況にある方には、なかなか実行が難しい側面もあります。
高齢者だからといって、糖尿病の進行が遅くなることも止まることもありません。合併症に進めばそれも進行し続けます。

 

適切な治療を継続して受けることで、進行を食い止めれば、確実にQOLは維持できます。まずは、未治療の方、治療を中断されている方とそのご家族は、いちど内科の主治医と糖尿病の治療についてじっくり話し合うことをお勧めします。

 

<参考>
厚生労働省 糖尿病ホームページ
厚生労働省 国民健康・栄養調査

 

西村書店『カラー版 糖尿病学』門脇孝ほか編

 

 

プロフィール

kami上條内科クリニック院長・医学博士 上條武雄先生
1992年慈恵会医科大学卒業後、2003~2007年まで上野原市立病院内科勤務。2007年から横浜市内の在宅療養支援診療所3ヶ所に勤務の後、2011年に上野原市に上條内科クリニックを開業。地域を支える在宅医として、認知症ケア・緩和ケアなどにも力を入れる一方、アニマルセラピーの普及や、医療・介護が連携しやすい仕組みづくりにも取り組む。忙しく飛び回る毎日の癒しは愛犬のチワワたち(花音、鈴音ともに7歳)。自身でアニマルセラピーの効果を感じる日々。

 

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